金春屋ゴメス 著者名:西條奈加(著)
出版社:新潮社
出版年:2008.09
ISBN :9784101357713
文庫本になるのを楽しみに待っていた本。
・内容
近未来の日本に、鎖国状態の「江戸国」が出現。競争率三百倍の難関を潜り抜け、入国を許可された大学二年生の辰次郎。身請け先は、身の丈六尺六寸、目方四十六貫、極悪非道、無慈悲で鳴らした「金春屋ゴメス」こと長崎奉行馬込播磨守だった!ゴメスに致死率100%の流行病「鬼赤痢」の正体を突き止めることを命じられた辰次郎は―。「日本ファンタジーノベル大賞」大賞受賞作。
(「BOOK」データベースより)
月に人類が住む未来。リアル・セカンドライフというかテーマ・パークというか、ある実業家が老人向けに、巨費を投じて北関東に江戸を再現。その後、江戸の情緒や、江戸時代のままの自然と生活に憧れる老若男女たちが移り住み、拡大。やがて、独立を宣言して、日本の属領ながら、歴とした国家となった。
元々、時代小説というものは、現代人の価値観を投影した現代小説であり、実際の江戸とは違う一種のファンタジーであるから、こういう設定があってもおかしくない。
まさにコロタマ(コロンブスの卵)である。
なかなか面白かった。
ただ、1冊読み終えた感想としては、普通の時代小説として、つまり実際の江戸時代の江戸を舞台にして書いても良かったんじゃないか。
江戸国の周囲が現代(←小説中では)日本であること、日本から入国して来たばかりの人間と長く江戸で暮らしている者の価値観の違い・・・なんかは十分に活かされているとは思えない。
あと、ゴメスは、もっとハチャメチャなキャラを予想していたのだが、わりに普通だった(笑)。
次作も読む予定。
次は、『花まんま 慶次郎縁側日記』(北原亞以子・著/新潮文庫)


文庫の表紙のインパクトに驚きましたし、いろんな要素のミックスに楽しみました。
確かに純粋に江戸の時代小説として書いて行ってもこの人面白いものを書いてくれそうな気がしますけれど、もうちょっとSF混ぜたりとかでも面白いのかいてくれそうで、先が楽しみです。
シリーズが長く続くと、この設定がもっと生きてくるような気がします。そこを期待して読んでいきます。
単行本で読んどいてよかった。
ファンタジーなのに、読後感は時代小説。ちょっとしょっぱい気分でした。
文庫と単行本のカバーのギャップでびびったのは、酔笑亭シリーズ以来でした。あれは単行本カバーでドン引きで、これとは反対ですが…