落下する緑 著者名:田中啓文(著)
出版社:東京創元社
出版年:2008.07
ISBN :9784488475017
「笑酔亭梅寿謎解噺」シリーズは若手落語家、こちらは若手天才ジャズプレイヤーが探偵役のミステリ。一応、人が死なないので、日常の謎系と言えなくもない。
表題作「落下する緑」を始め、「揺れる黄色」「反転する黒」「遊泳する青」「挑発する赤」「虚言するピンク」「砕けちる褐色」と、タイトルもお洒落。
・内容
唐島英治クインテットのメンバー、永見緋太郎は天才肌のテナーサックス奏者。音楽以外の物事にはあまり興味を持たない永見だが、ひとたび事件や謎に遭遇すると、楽器を奏でるように軽やかに解決してみせる。逆さまに展示された絵画の謎、師から弟子へ連綿と受け継がれたクラリネットの秘密など、永見が披露する名推理の数々。鮎川哲也も絶賛した表題作にはじまる、日常の謎連作集。
(「BOOK」データベースより)
僕のジャズ体験と言えば、友人の影響で一時期マンハッタン・ジャズ・クインテットを聴いたり、20代の頃に日本のフュージョンを聴いたり、西梅田に昔あった大阪ブルーノートに数回行ったことがあるだけ。知識も、まあ、超有名アーチストの名前ぐらい知っている・・・という程度。
音楽を小説や漫画で書くって(上條淳士『TO‐Y』が好きだった)、なかなか難しいよね。でも、サックスの音色の書き方とか、さすが著者自身がジャズプレイヤーってだけあるよなって感じ。
肝心のミステリとしては出色とは思えない。「落下する緑」と「遊泳する青」は似たパターンだし。
でも、僕のようにジャズ知識の乏しい人でも完全素人でも、音楽や楽器に興味のある人なら、雰囲気は楽しめる。
嫌いじゃないね。
次は『PLUTO 5』(浦沢直樹・著/小学館ビッグコミックス)。

