闇の子供たち 著者名:梁石日(著)
出版社:幻冬舎
出版年:2004.04
ISBN :9784344405141
映画に触発されて原作を読む。梁石日氏は初読み。
・内容
貧困に喘ぐタイの山岳地帯で育ったセンラーは、もはや生きているだけの屍と化していた。実父にわずか八歳で売春宿へ売り渡され、世界中の富裕層の性的玩具となり、涙すら涸れ果てていた…。アジアの最底辺で今、何が起こっているのか。幼児売春。臓器売買。モラルや憐憫を破壊する冷徹な資本主義の現実と人間の飽くなき欲望の恐怖を描く衝撃作。
(「BOOK」データベースより)
映画と原作、どちらがいいか。そこは、まあ同じぐらいの評価。どちらも筋を追うのにいっぱいいっぱいで、人物が書き割りみたいに生彩がない。
いずれにせよ、幼児売春は汚らわしい。映画では具体的な映像を見るのが辛かった。小説もそういう場面は読むのが辛い。全くおぞましい。こんな嗜好はやっぱり理解できない。ビョーキとしか思えん。恥を知れ。
自分の子供の命を助けるために、生きたままの他人の臓器による移植を受けようとする日本人家族。金持ちは命を買い、貧乏人はその犠牲に。自分の子供を救いたい気持ちは分かる。ベストを尽くすべきだろう。でも、こんな方法はいただけない。これしか手がないのなら、血の涙を流すほど辛くても、寿命として受け入れるしかないだろう。
だが、最大の問題は、金持ち先進国と貧乏(でも一部は利権で潤う)な発展途上国の経済格差である。これを解決しないことには・・・。
そして、経済格差は何も海外との問題だけじゃない。今や日本国内にも同様の問題がある。
企業は利益を上がるためにコスト削減に走る。
消費者は安いモノを喜ぶ。
ただ安ければ良いのか?その向こうに苛酷な労働環境(安い賃金でこき使われる)にあえぐ国内外の労働者がいるのだ。
本当に良いモノには正当なコストがかかる(安いモノにはそれ相応の理由がある)。そういうちゃんとした商品を消費者が買わないと・・・。
しかし、ここでまた問題が。
高くても良心的なモノを買い、そういう商品を作る企業が儲かる・・・そんな世の中の方が労働者全体にとってもプラスだが、高いモノばっかり買うと家計を圧迫する。高邁な理想より現実の生活・・・である。
企業は労働者に利益を還元してもらいたい。じゃないと景気もよくなんないよ。
次は『容疑者xの献身』(東野圭吾・著/文春文庫)

