マイナス・ゼロ 改訂新版 著者名:広瀬正(著)
出版社:集英社
出版年:2008.07
ISBN :9784087463248
この作品は、日本のタイムトラベルSFの金字塔ということで、名前ぐらいは昔から知っていたのだが・・・。
今年、本屋大賞5周年特別企画「この文庫を復刊せよ!」で第1位となり、再発。こうして手に取って読めるようになった。“広瀬正・小説全集”として、この後他の作品も順次復刊される。いい企画じゃないか、本屋大賞。5周年と言わず毎年やってほしい。
・内容
1945年の東京。空襲のさなか、浜田少年は息絶えようとする隣人の「先生」から奇妙な頼まれごとをする。18年後の今日、ここに来てほしい、というのだ。そして約束の日、約束の場所で彼が目にした不思議な機械 ― それは「先生」が密かに開発したタイムマシンだった。時を超え「昭和」の東京を旅する浜田が見たものは?
(文庫本裏表紙紹介文より)
ちなみに解説は星新一氏。
実に良く出来てる。そうか、Aさんは実はBさんで、Cさんは実はDさんで、コレはアレと繋がっていて・・・と物語全体のループが見えてくるところは快感(疑問の余地はなしとしないが、タイムトラベルものに疑問はつきもの)。
あまりに良く考えられていて、情けないことに、こちらの脳ミソが付いていけないところも(笑)。全部の出来事と登場人物を年表や相関関係図にして整理しないと。
いや、しないけど。
残念なのは「先生」が序盤にしか登場しないこと。何万年もの未来から来た人ではないか、という推測が物語中で為されるが、その正体やなぜ物語内現在にやってきたのか、知りたかった。
まあ、そんなところまで書いたら、長くなり過ぎるし、散漫になってしまうだろうけど。長生きして、スピンオフを書いてほしかったな。
次は、『レイコちゃんと蒲鉾工場』(北野勇作・著/光文社文庫)。

