2008年07月02日

空の中


空の中
著者名:有川浩(著)
出版社:角川書店
出版年:2008.06
ISBN :9784043898015


 単行本の新聞広告を見たときからずっと気になってたんだよね、コレ。

 今ではすっかり有名作家の有川浩氏だが、初読みである。


・内容
200X年、謎の航空機事故が相次ぎ、メーカーの担当者と生き残った自衛隊パイロットは調査のために高空へ飛んだ。高度2万、事故に共通するその空域で彼らが見つけた秘密とは?一方地上では、子供たちが海辺で不思議な生物を拾う。大人と子供が見つけた2つの秘密が出会うとき、日本に、人類に降りかかる前代未聞の奇妙な危機とは ― すべての本読みが胸躍らせる、未曾有のスペクタクルエンタテインメント。
(「BOOK」データベースより)


 上の「内容」もそうだが、当時の広告でもすっかりハードSFだと思っていた。実際読んでみるとファンタジーに近い。いや、著者ご本人が言う通り、「大人ライトノベル」と呼ぶのがいちばん相応しいのかも。

 異種生命体遭遇譚。

 かなり面白かった。いささか深みには欠けるし、読んで学ぶことも無いが(悪口・批判に非ず)。

 でもいいじゃないか、面白けりゃ。とにかく導入部は非常に魅力的。最高のプロローグ。あとの展開も悪くない。

 ただ、多くのブログから察するに、この人の作品の魅力のひとつは主要キャラの恋愛模様にあるようだが、春名高巳(♂メーカーの担当者)と武田光稀(♀生き残った自衛隊パイロット)の不器用なソレには別に萌えんかった。このあたり、高校生か大学生の頃に読んでたらねぇ〜。でも、どこかで既に見たようなキャラと関係性なんだよな。まぁ、40過ぎても、こういうの好きな人は好きなんだろうけど(決して馬鹿にしてない)。それにしても、光稀の性別を途中まで隠しておくのって、意味がないと思うけどな。

 で、登場キャラの中では、宮じいがいちばん好きだ。村上春樹氏の『海辺のカフカ』のナカタさんを連想した(ナカタさんはある意味もっと壊れてるけど)。相手が子供であっても見下さずに対等に接する。少年少女を静かに暖かく見守り、自らの人生体験に裏打ちされた説得力のある(でも説教臭くない)言葉で語る。こういう大人、というか爺になりたい。

 当文庫には、特別書き下ろしとして『仁淀の神様』を収録。短編だが、瞬と佳江、宮じいのその後が長いスパンで描かれており、淡い余韻を残す。そうか、宮じいにはモデルがいるんだね。


 次は『散歩もの』。
posted by ふくちゃん at 23:52| Comment(0) | TrackBack(1) | SF
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