2008年06月21日

白澤 人工憑霊蠱猫


白澤
著者名:化野燐(著)
出版社:講談社
出版年:2008.06
ISBN :9784062760393


 シリーズ2作目。前作の『蠱猫 人工憑霊蠱猫』よりは小説として上手になっている(上から目線)。


 純然たる時系列的続編かと思いきや、前作では脇役だった玄山資料館準備室の学芸員=時実理一とシステム開発会社ミル・プラトーのシステム・エンジニア=石和百代の2人を主人公に、前作の事件を別の場所から語り直し、その後を描くという趣向。

 これはなかなか良い。

 妖怪とITの融合という設定も、今の時代を反映していて面白い。人語を解し万物に精通するとされる聖獣<by Wikipedia>=白澤はPCのディスプレイの向こうから、ネットワークの向こうから、召喚(ダウンロード)されてやってくる・・・というように。

 長閑な世捨て人に見える時実の本当の顔。本作でも垣間見えるが、今後掘り下げられていくのだろう。どうやら、学園における有鬼派(妖怪・精霊と結合することでより強大な新人類へ進化すると信じるグループ)と無鬼派の抗争で、過去に辛い体験をしているようだし、ミル・プラトーの女社長・高穂との過去もなんかありそうだ。

 で、最初に書いたように、1作目よりも随分良くなったが(また上から目線)、ある人物が終盤に死ぬところは、安手のアニメやドラマのよう。センチメンタルかつ“過剰書き”で、やや冗漫。まだまだ頑張ってもらいたい(さらに上から目線)。

 ちょっと迷うが、次の巻も出たら、一応読むことにしよう。


 次は、『赤絵の桜 損料屋喜八郎始末控え』(山本一力・著/文春文庫)。
posted by ふくちゃん at 00:18| Comment(0) | TrackBack(0) | ファンタジー・幻想文学
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