六月六日生まれの天使 著者名:愛川晶(著)
出版社:文藝春秋
出版年:2008.05
ISBN :9784167717780
“読み終えたあと、必ずもう一回読みたくなります。”
“これが、恋愛ミステリーの最高峰です。”
・・・とまるっきり『イニシエーション・ラブ』と同じノリ。
版元も同じだし。
こういう二番煎じ的な売り方にはメリットもあるのだろうが、作品や作家にとって本当に幸せなことだろうか?
・内容
ふと目覚めると、私は記憶を失っていた。同じベッドには、ゴムの仮面を破った全裸の男が眠っている…。ここはどこ?この男は誰?扉を開けると、意外にも外は雪。そして初老のサンタクロースが、私に手招きをしている!記憶喪失の女と謎の男の奇妙な同居生活、その果ての衝撃!傑作ミステリー長篇。
(「BOOK」データベースより)
いわゆる叙述トリックであり、面白さを説明しようとすると即ネタバレになってしまうので、読んでみてとしか言えない。
で、“面白さ”とは書いたものの、叙述トリック成立に奉仕するあまり、不自然かつ強引なところもあり、評価はビミョー。
労作ではあるけど。
で、「私」の名前は最後まで明らかにされずに終わる。記憶を取り戻した「私」が、「漢字4文字」の自分の名前を思い出したと呟くシーン。「私」に関する探偵事務所の調査報告書を読む江藤が、「名前が、のも―」と言いかけたところで、相手が「いいよ、名前なんか」と遮るシーン。名前に関わるところはそこだけしかないように思われる。
だが、巻末の解説を読むと、名前に関するかなりあからさまなヒントが作中にあるそうだ。
あとでパラパラと読み返してみたが、分からない・・・。
「私」の名前が分かったという方、ご教示を!
次は、『蒲公英草紙 常野物語』(恩田陸・著/集英社文庫)。

