東京バンドワゴン 著者名:小路幸也(著)
出版社:集英社
出版年:2008.04
ISBN :9784087462876
この作品をミステリにカテゴライズすることには異論もあろう。でも、あんまりカテゴリ増やしたくないので(笑)。一応、“日常の謎”的なスパイスも効いてるし。
舞台は、東京のとある下町に店を構える古本屋兼カフェ「東京バンドワゴン」。
店を営む堀田家はイマドキ珍しい3世代8人の大家族である。すなわち、
1)気風のいい江戸っ子の大じいちゃん79歳、古本屋店主・堀田勘一
2)勘一の息子で金髪の60歳、伝説のロッカー・堀田我南人(がなと)
3)我南人の娘、画家で未婚の母・藍子
4)藍子の娘、小学6年生の花陽(かよ)
5)我南人の息子、古本屋手伝い、フリーライターの堀田紺
6)紺の妻、カフェを藍子と一緒に切り盛りする亜美
7)紺と亜美の息子、小学4年生の研人(けんと)
8)年中違う女性が家に押しかけるモテ旅行添乗員、紺の異母弟の堀田青
彼らとご近所の賑やかな面々が織り成す春夏秋冬の全4章は、昔なつかし人情ホームドラマの風情が漂う。
なかなか面白い。
イマドキこんな大家族はいない(TVでよくやるような現代の子だくさん大家族とは全く雰囲気が違う)という気もするが、そこはそれ、ノスタルジックなファンタジーと思えば良いのだから。
ちょっとした個人的な難点を挙げるとすれば、語り手である今は亡き勘一の妻・堀田サチ(つまり幽霊)の語り口調があまり好きになれないこと。テンポが阻害される気がするのだ。でも、このノンビリした口調が好きな人も多いんだろな。
もうひとつは、我南人の口調がロッカーらしくないこと。ま、これも僕自身のステレオタイプなロッカーのイメージが原因だろうけど(笑)。
次は、『きいろいゾウ』(西加奈子・著/小学館文庫)。

