心霊探偵八雲 1 著者名:神永学(著)
出版社:角川書店
出版年:2008.03
ISBN :9784043887019
単行本は、自費出版で有名な文芸社から現在7巻まで。シリーズ80万部。初の文庫化である。
・内容
学内で幽霊騒動に巻き込まれた友人について相談するため、晴香は、不思議な力を持つ男がいるという「映画同好会」を訪ねた。しかしそこで彼女を出迎えたのは、ひどい寝癖と眠そうな目をした、スカした青年。思い切って相談を持ちかける晴香だったが!?女子大生監禁殺人事件、自殺偽装殺人…次々と起こる怪事件に、死者の魂を見ることができる名探偵・斉藤八雲が挑む、驚異のハイスピード・スピリチュアル・ミステリー登場。
(「BOOK」データベースより)
ハイスピード・スピリチュアル・ミステリーって・・・また適当なキャッチだなぁ(笑)。
死者の霊が見える赤い左眼と死者と交信する能力を持って生まれた斉藤八雲。
その真っ赤な瞳ゆえに、実の母からさえも忌み嫌われて殺されそうになった過去があり、カラーコンタクトレンズで隠す術を覚えるまで、誰にも近寄られずに孤独に生きてきた。
例外は、母の弟で寺の住職を務める斉藤一心と母に殺されかけた幼い八雲を救った刑事・後藤だけ。
父親代わりを自認する一心は、八雲を寺に住まわせてくれている。が、霊の姿が見え、その声が聴こえてしまう八雲は、普段は自分の生活空間確保の為にでっちあげたサークル「映画研究会」の部室で寝起き(!)している。
一方、後藤とは、その能力を活かして捜査に協力する関係にある。
そんな八雲の元に、たまたま知人を介して、幽霊に取り憑かれた友人を救うべく、小沢晴香が訪れた・・・。
で、ここから、八雲、後藤、晴香をレギュラーとする連作ミステリとなってくる。
心霊・幽霊はあくまで道具立てであって、わりに普通のミステリだ。おどろおどろしくもないので、そういうのが苦手な人も大丈夫。
辛い過去を持つがゆえに、他人に心を開かず、無愛想で皮肉屋の八雲と後藤・晴香の憎まれ口合戦がなかなか楽しい。
一心や後藤以外で初めて、八雲の赤い瞳を気持ち悪がらず、「綺麗・・・」と呟いた晴香。彼女と接するうちに徐々に変わり始める八雲の成長小説としても読める。
なんだかんだ言って、ついつい晴香を助けてしまう八雲。
八雲の言動にプリプリ怒りながらも、事情を理解するに連れ、心惹かれる晴香。
青春ですなぁ・・・(←おっさん)。
ただ、この晴香というキャラが、「女の子女の子」してて、それがちょっと残念ではある。活発なように見えても、イザというときは男に守ってもらわないとダメなかよわい女の子・・・というキャラはあんまり好きじゃないんだよな。
ま、でも両眼が真っ赤な敵キャラ(?)もチラッと登場して、続刊が楽しみだ。
次は『居眠り磐音 江戸双紙 朔風ノ岸』(佐伯泰英・著/双葉文庫)。

