食い逃げされてもバイトは雇うな 著者名:山田真哉(著)
出版社:光文社
出版年:2007.04
ISBN :9784334034009
この人、タイトルつけるの上手い。気になるもんな。手に取りたくなる。前著『さおだけ屋はなぜ潰れないのか』も面白かったので、まとめて2冊購入。
「禁じられた数字<上>」「同<下>」とも表記されている通り、一応上下巻。会計学なんて分からない、興味もないという人(オレだ!)にも分かりやすく、楽しくサクサク読める。
上巻では、プレゼンや文書(文章)作成など、ビジネス(に限らないが)で上手に数字を使うコツを、実例を踏まえて教えてくれる。
例えば「タウリン1g配合!」より「タウリン1000mg配合!」の方がインパクトがあるとか。「ほとんどは仮説」より「99.9%は仮説」、「若者はなぜすぐに辞めるのか」より「若者はなぜ3年で辞めるのか」の方が心に訴えてくるとか。
ただ、これらのことも含めて、上巻で説明されていることは自分でも日頃意識していることで、新鮮味はなかった(←偉そう)。
内容よりも、著者の文章の上手さに感心。文学的に優れている・・・ということではもちろんないが、とにかく平易で簡潔で読みやすい。なかなかこういう文章は書けないよ。うん。
最も印象に残ったのは、下巻の「脱予算経営」。企業というのは年間の予算計画(売上目標など)を立てるわけだが、環境変化のスピードの速い現代においては、その意義が薄れているというのだ。
「計画」に縛られるのは、弊害の方が大きい。「計画」は、「作られた数字」や「根拠のない数字」を産み出す土壌になっている。「計画」よりも、環境に変化に応じて切ることのできる「カード」をどれだけ持っておくかが大事。
・・・というのである。
同感。
海外では、従来の「計画信仰」から脱却し、例えば最終目標としてよく使われる「売上高」「利益率」「成約件数」などではなく、「在庫水準」「品切れ率」「製品化までの時間」「解約件数」「顧客訪問回数」「従業員離職率」などの中間的な数字をチェックすることによってビジネス・プロセスを管理するKPI(重要業績達成指標)というものを導入する企業も出ているらしい。
面白い。
山田さんが紹介している『脱予算経営』という本、読んでみようかな。
あと、「会計がわかる=ビジネスができる」という最近の風潮を、バッサリ否定しているのも爽快。
次は『蠱猫 人工憑霊蠱猫』(化野燐・著/講談社文庫)。

