2008年02月06日

写楽・考 蓮丈那智フィールドファイル3


写楽・考
著者名:北森鴻(著)
出版社:新潮社
出版年:2008.01
ISBN :9784101207230


 いやぁ、この人の頭の構造はどうなっているのか。『瑠璃の契り 旗師・冬狐堂』でも書いたが、何でこんな話を考えられるのか。派手さはないけど、ホント端正、切れ味バツグン。

 冬狐堂シリーズでは古物商、こちらは民俗学。知らない世界を垣間見るのは、楽しい(このセリフも前に書いたな)。

 民俗学上の謎に対する考察・調査が、現実世界の殺人事件に対する推理にリンクする。その鮮やかな着地。

 旧態依然とした権威主義、主流派と目される通説を颯爽と蹴飛ばしながら、独り我が道を行く異端の民俗学者、有能かつクールビューティな助教授・蓮丈那智(♀/TVドラマでは木村多江氏が蓮杖那智を演じていたが、僕のイメージでは天海祐希)。彼女に振り回されて疲労困憊・右往左往しながらも(それが快感?)、心酔して付いていく助手・内藤三國(♂)。この2人をホームズとワトソンとして、シリーズ途中から割り込み、三國のポジションを脅かすもう1人の助手・佐江由美子。かつては、蓮丈那智同様に将来を嘱望されていた民俗学の学徒でありながら、とある事情により、今は同じ大学の事務方に回った狐目の教務主任・高杉(♂)。そして、冬狐堂こと宇佐見陶子らが協力して謎を解き明かす、連作短篇集。

 最後に収められている表題作のこれだけ中篇「写楽・考」。話のメインはフェルメールの絵画であり、どこで東洲斎写楽が関係してくるのか?と思いながら読んでいたら、最後の最後で・・・!。

 へぇ〜。

 門外漢の僕には、蓮丈や高杉の唱える説が民俗学上、どの程度のレベルなのか、信憑性は如何ほどか、全く分からない。分からないが、知的好奇心を激しく刺激されるのだ。大学時代、英文学じゃなくて、民俗学をやればよかったな(単純)。


 次は『水滸伝・十六 馳驟の章』(北方謙三・著/集英社文庫)。
posted by ふくちゃん at 23:11| Comment(0) | TrackBack(0) | ミステリ
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