2008年01月22日

イニシエーション・ラブ


イニシエーション・ラブ
著者名:乾くるみ(著)
出版社:文藝春秋
出版年:2007.04
ISBN :9784167732011


 風邪ひいた。

 春先に引くことが多いのだが、今年の冬は2回目。

 とにかくひき始めが肝心。薬飲んで、栄養取って。

 少し頭痛がするし、ふらつく感じ。

 初期症状としては、いつもより重い。

 今日は長文は書けないぞ。

 そんな日に(たまたま)ピッタリの本だ。


・内容
僕がマユに出会ったのは、代打で呼ばれた合コンの席。やがて僕らは恋に落ちて…。甘美で、ときにほろ苦い青春のひとときを瑞々しい筆致で描いた青春小説 ― と思いきや、最後から二行目(絶対に先に読まないで!)で、本書は全く違った物語に変貌する。「必ず二回読みたくなる」と絶賛された傑作ミステリー。
(「BOOK」データベースより)


 説明のしようのない小説である。説明するその場からネタバレになってしまうのだ。

 物語の外観は冴えないハズの主人公が恋に落ちて、それがアレヨアレヨと上手くいく、甘酸っぱくも凡庸な恋愛小説。

 しかし、その実、物語全体が、読者を騙すためのたくらみに満ちているのだ。くれぐれも「つまらん恋愛モノ」と思って、投げ出さないように。

 ラスト2行のその手前から、あれ?あれ?と違和感に打たれ続けると、最後には「あぁ〜、そういうこと!」

 他にも物語の途中で違和感を感じるところはあったけど、これが答えかぁ。

 そして、巻末の解説「〜再読のお供に〜」を読む。

 まぁ、もう一度読み直したいとまでは思わなかったけど、前に戻って何箇所か確認。

 フムフム。なるほど。

 Side A、SIde Bと大きく2分割された構成には、『真夜中の5分前』(本多孝好)を連想したが、Side AとSide Bにはこういう関係性(ネタバレになるので説明せず)も確かにあるよな。

 物語が1980年代半ばになっていること(まあ、これは1990年代でも書きようがあるかも知れないが)、登場人物がやたらドラマ『男女7人〜』に言及することにも納得(でも、こういう道具に使えるドラマ、90年代にあったかな)。

 それにしても、このマユという女、怖い。


 次は、『瑠璃の契り 旗師・冬狐堂』(北森鴻・著/文春文庫)。
posted by ふくちゃん at 16:55| Comment(6) | TrackBack(3) | ミステリ
この記事へのコメント
 「物語が1980年代半ばになっている」のは、「カセットテープ」が主流だったから、逆に言えばただそれだけのための設定だったようにも思えてきました。
Posted by higeru at 2008年01月28日 22:11
>higeruさん。
設定一発。それにかけた馬鹿馬鹿しさ。
ある意味、見上げた根性かと・・・(笑)。
これ以上に驚く?という新刊『リピート』を読むかどうか迷ってます。
Posted by ふくちゃん at 2008年01月29日 22:27
こんにちは〜♪
軽く読めて、しかも楽しい仕掛けがあって、読み得感がありました(笑)
side-Aからマユという子はなんか胡散臭いって思ってましたが、全部読んだ後では怖さをひしひしと感じましたね。
Posted by ミチ at 2008年04月16日 08:14
>ミチさん。
なぜかとんとん拍子に上手く行く恋愛・・・。
違和感ありました。
そこが後で効いて来ますね!
Posted by ふくちゃん at 2008年04月17日 22:11
小っ恥ずかしさが何度も襲ってきて放り出しそうになりましたが、とりあえず読んでみてよかったかなと思いました。
元はミステリリーグなんだから何かあるはず、と自分を勇気づけました(笑)。
なるほどね〜とこの仕掛けは印象的でした。
Posted by カクテキ at 2008年05月01日 11:09
>カクテキさん。
この作品、著者は書いていて楽しいだろうなぁ・・・と思います。
他の作品も読んでみようと思っているのですが、なかなか手に取る時間が無く・・・(笑)。
Posted by ふくちゃん at 2008年05月01日 23:04
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【乾くるみ】イニシエーション・ラブ
Excerpt:  新刊ではないのだが、平積みの山から何気に手に取ってしまったのが運の尽き。カバー裏の 《最後から二行目(絶対に先に読まないで!)で、本書は全く違った物語に変貌する。「必ず二回読みたくなる」と絶賛された
Weblog: higeruの大活字読書録
Tracked: 2008-01-28 22:05

「イニシエーション・ラブ」 乾 くるみ
Excerpt: {/book/}「イニシエーション・ラブ」 乾 くるみ若者向けの恋愛小説なら絶対手に取るはずもないのですが、書評で「驚きのトリック!」と紹介されていたのが私のミステリー好きの部分を刺激してしまいました...
Weblog: ミチの雑記帳
Tracked: 2008-04-16 08:11

『イニシエーション・ラブ』 乾くるみ
Excerpt: ミステリーだという知識もないまま、ありがちな恋愛小説だと思って、読んでいたのに、最後のページを5回ぐらい読み直してしまった。へっ?どういうこと???と。夕樹(たっくん)=辰也???どこで入れ替わった?
Weblog: *モナミ*
Tracked: 2008-10-12 09:35