チーム・バチスタの栄光 上 著者名:海堂尊(著)
出版社:宝島社
出版年:2007.11
ISBN :9784796661614
第4回「このミス」大賞受賞作。この厚さで上・下巻はないんじゃないの?と思いつつ、購入。
最初の2ページの情景描写の退屈さに、いきなり後悔。
・上巻内容
東城大学医学部付属病院の“チーム・バチスタ”は心臓移植の代替手術であるバチスタ手術専門の天才外科チーム。ところが原因不明の連続術中死が発生。高階病院長は万年講師で不定愁訴外来の田口医師に内部調査を依頼する。医療過誤死か殺人か。田口の聞き取り調査が始まった。第4回『このミス』大賞受賞、一気にベストセラー入りした話題のメディカル・エンターテインメントが待望の文庫化。
(「BOOK」データベースより)
・下巻内容
東城大学医学部付属病院で発生した連続術中死の原因を探るため、スタッフに聞き取り調査を行なっていた万年講師の田口。行き詰まりかけた調査は、高階病院長の差配でやってきた厚生労働省の変人役人・白鳥により、思わぬ展開をみせる。とんでもない行動で現場をかき回す白鳥だったが、人々の見えなかった一面が次第に明らかになり始め…。医療小説の新たな可能性を切り拓いた傑作。
(「BOOK」データベースより)
謎を解くカギが読者に完全開示されているわけでもないし、アクロバティックな論理展開で真相と犯人に辿り着くわけでもないし、探偵役の白鳥の推理(というか調査)手法は意外に地味である。
彼の異名がロジカル・モンスターだということは読む前から知っていたし、もちろん作中でも本人の登場と同時に語られるのだが、てっきり常人には及びもつかないような(それこそモンスター級の)切れ味鋭いロジカル・シンキングを見せ付けてくれるのかと思い込んでいた。
論理的であることは確かだが、モンスターは“変人”というニュアンスだったんだな。
で、最初の2ページを我慢して通り過ぎたら、高階院長が田口公平に内部調査を依頼する導入部(ミステリとしての謎の提示)から、すぐに引き込まれて最後まで一気に読んだ。
大学病院という門外漢には全く分からない世界を垣間見ることができるのも興味深いし(どこまでがリアルかは判断しようがないが、現役医師の執筆作品ということが真実味を増幅させる)、キャラクタ造型も良い。
これまたミステリというよりも、サスペンスだな。というか上の紹介文通り“メディカル・エンタテインメント”と呼ぶのがいちばんピッタリ来るか。
ご存知の通り映画化されるが、不満が2つ。
まず田口を女性に置き換えたこと(竹内結子氏)、そして白鳥が男前過ぎること(阿部寛氏)。俳優2人に恨みはないが、原作の世界観ぶち壊しやん!
次は、『仕掛け花火』(江坂遊・著/講談社ノベルズ)。

