少女には向かない職業 著者名:桜庭一樹(著)
出版社:東京創元社
出版年:2007.12
ISBN :9784488472016
謹賀新年!
文庫読みの宿命というか何というか、どうしても読書界最先端のトレンドには遅れがちである。
そんなわけで、ようやく初読みの桜庭一樹氏。
ミステリor推理というより、サスペンス。面白かった。
・内容
あたし、大西葵13歳は、人をふたり殺した…あたしはもうだめ。ぜんぜんだめ。少女の魂は殺人に向かない。誰か最初にそう教えてくれたらよかったのに。だけどあの夏はたまたま、あたしの近くにいたのは、あいつだけだったから―。これは、ふたりの少女の凄絶な“闘い”の記録。『赤朽葉家の伝説』の俊英が、過酷な運命に翻弄される少女の姿を鮮烈に描いて話題を呼んだ傑作。
(「BOOK」データベースより)
血の繋がった父は既になく、「自分の人生はこんなハズじゃなかった」という想いに取り付かれた母の愛情は薄い。そして、漁師として働けなくなってからは酒に溺れ、暴力を振るう“怪物”と化した義父。
そんな窮屈な家庭を忌避しつつ、道化を演じ、空気を読み、争いを避けることで、学校での居場所をかろうじて保っている・・・。それが、先生からも同級生からも人気のひょうきんなお調子者・葵の本当の姿。
学校では全く目立たない黒髪・眼鏡の図書委員。町一番の金持ちの孫娘。プライベートではゴスロリ・ファッションで異様かつクールな妖気を漂わせる“あいつ”宮乃下静香。
葵はひょんなことから、その黒髪が本当は茶色の髪を染めていること(天然茶髪は校則上OKなのに)、眼鏡がダテであることに気付く。その意味は・・・。そして、彼女の口から語られる、彼女自身に関する驚くべき秘密、恐るべき計画。
離島、田舎、学校、家庭。狭い世界に閉じ込められた少女達の生きるための戦い。
この作品には、息苦しくも眩しい、思春期という時間の輝き(それが刹那の幻想でも)が確かに息づいている。
・・・こういうのに弱いのだ。
葵と静香の2人には、この先どんな人生が待っているのだろう。苛酷な時間のその先に救いがあることを祈る。
次は、『夢の守り人』(上橋菜穂子・著/新潮文庫)。


文庫になったのですね。
私は図書館派なのでふくちゃんさんとはまた別の意味で流行からは遅れております。
葵と静香、ふたりともタイプは違うけれども欲しているものを得られずにどうしていいかわからないでいる様子に胸が痛くなります。
最後、おまわりさんに堰を切ったように告白できた葵にほっとしたのですが。
ブログを拝見したところ、僕よりははるかにバッチリ流行に乗っておられる思います。
図書館も良いのですが、新刊本の匂いや手触りが好きなもので・・・。さりとて、単行本で揃える資金もスペースもなく・・・。ということで、長年の文庫派です。
家族と心通わず、学校では精一杯明るさを演じている葵のこの年頃特有の雰囲気がとても良く出ていました。
ミステリー要素も絡んでとても惹き込まれて読んだのですが、どんどん終盤辛くなっていきました。
ラストは、これしかないハッピーエンドはありえないとは解っていてもやはり後味が悪く感じてしまいました〜
コメントありがとうございます。
確かに辛い作品でしたね。
でも、彼女たちの人生にはどこか救いが待っているような気がなんとなくするんですよね。僕には。