2007年12月27日

水滸伝・十五 折戟の章


水滸伝 15
著者名:北方謙三(著)
出版社:集英社
出版年:2007.12
ISBN :9784087462395


 20万の宋の大軍を相手に驚異的な粘りで応戦する梁山泊。量に質で対抗する戦いである。しかし、物量の差は如何ともしがたく、限界が近付く。すでに多くの将兵を失い、どの寨が崩れてもおかしくはない。そして、どの寨が崩れても、そこから梁山泊は潰滅する。

 ここで、元は関勝の軍師、今は梁山泊の実戦での軍師・宣賛が乾坤一滴の大勝負に出る。すなわち、梁山泊総攻撃のため、がら空きになっている北京大名府を占拠することで宋軍を引かせ、終戦に持ち込むのである。大量の軍費を消費し、戦争継続が苦しいのは、宋も同じなのだ。

 そして、終戦後は講和の余地もありと見せかけて、態勢回復への時間を稼ぐ。

 問題は、梁山泊には北京大名府へ派遣できる、まともな軍勢が無きに等しいこと。そこで、宣賛が考え出した秘策とは・・・。


 長く苦しく、激しい戦闘はこの巻でいったん終息する。しかし、梁山泊本隊のあの男(B)が戦場で鮮烈に散る(好きなキャラだった)。あの男(S)も、あの男(G)も、兵站を守る戦いの中でギリギリまで戦い抜いて、世を去ってしまう。そして、北京大名府攻城戦では、あの男(R)が。流花寨を巡る攻防では、あの男(S)とあの男(O)も。

 ああ、辛ッ。

 宋側でもBとの戦いの中、紙一重の差で、生の世界に踏みとどまる男がいる(生死が逆でもおかしくなかった)。S将軍も果敢に死ぬ。

 ああ、熱ッ。

水滸伝・一 曙光の章
水滸伝・二 替天の章
水滸伝・三 輪舞の章
水滸伝・四 道蛇の章
水滸伝・五 玄武の章
水滸伝・六 風塵の章
水滸伝・七 烈火の章
水滸伝・八 青龍の章
水滸伝・九 嵐翠の章
水滸伝・十 濁流の章
水滸伝・十一 天地の章
水滸伝・十二 炳乎の章
水滸伝・十三 白虎の章
水滸伝・十四 爪牙の章

 次は、『銀河英雄伝説6飛翔篇』(田中芳樹・著/創元SF文庫)。
posted by ふくちゃん at 20:43| Comment(2) | TrackBack(1) | 歴史・時代小説
この記事へのコメント
梁山泊本隊のB、私も好きでした。
ここでいくのか…とショック。
そして生き残ったCHOには「何故生きてる!!」とビックリ。
惜しい人が次々と去っていきましたね…。
この後が怖いです…。
Posted by マメリ at 2008年05月21日 01:27
>マメリさん。
『楊令伝』第1巻の登場人物表を見ると、誰が生き残るか分かります。
・・・って、そんなこと勧めてどうする。
頑張って一気読みして下さい!
Posted by ふくちゃん at 2008年05月22日 23:52
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『水滸伝 15 折戟の章』 北方 謙三
Excerpt: 「私は、もっと闘える。闘うべきなのだ。先に死んだ者たちのためにもな」花栄の矢、神の速さとなりて敵陣を翔る。どの寨が崩れても、梁山泊は潰滅する。極限状況の中、各寨は必死の防戦をしていた。特に激しい攻撃に...
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