グリーン・レクイエム,緑幻想 著者名:新井素子(著)
出版社:東京創元社
出版年:2007.11
ISBN :9784488728014
1980年に刊行された新井素子氏の代表作『グリーン・レクイエム』とその続編で1990年に刊行された『緑幻想』を1冊にまとめた新装版である。良い装丁だ。
「BOOK」データベースの紹介文(=文庫本裏表紙の紹介文)はこう。
子供の頃の記憶。まよいこんだ夕刻の山道。ピアノの音を頼りに辿りついた草原の先には古びた洋館と温室があり、そこで彼は“緑色の髪をした少女”に出会った―。彼は長じて植物学者への道を歩み始めた。そして彼女との再会は、彼らを思いもよらない悲劇へと導く。著者の初期代表作にして星雲賞を受賞した「グリーン・レクイエム」と続編「緑幻想」を併せ、初の一巻本として贈る。
新井素子氏による新たな「あとがき」が付いている。ちなみに、今年の5月に日本標準というところから刊行された『グリーン・レクイエム』の紹介文は、こう。
信彦が七つのときに出会った緑の髪の少女。十八年後、信彦が公園で見かけた、陽のあたるベンチに坐っている明日香がその少女にそっくりだった…!緑の長い髪をもつ明日香と、彼女を愛してしまった信彦。明日香の正体は?二人の恋の行方はどうなるのか…?!美しいピアノの調べにのって展開する切ないラブストーリー。小学校高学年から。
(「BOOK」データベースより)
・・・別に意味はない。とりあえず載せてみた(笑)。
新井素子氏は初読みである。
その存在自体は高校生の頃から知っていたのだが。
当時、角川の角川による角川のための月刊誌、または角川3人娘(薬師丸ひろ子・原田知世・渡辺典子)および角川映画の宣伝誌、『バラエティ』を愛読していた。そもそもは原田知世嬢が好きで、途中から渡辺典子派に移行したのだが、それ以上に角川とは何の関係もない各種雑多な連載記事が好きだった。
今でも読めるものなら、また読みたい(古本・古雑誌でなく)。南伸坊、泉昌之、関川夏央、呉智英、糸井重里、鏡明などなど、連載陣やら、そのゲストやら、今思えば知る人ぞ知る豪華メンバーによるヨタ記事(?)が楽しかった。
その中に、新井素子氏が日常の出来事を書き、それを題材に吾妻ひでお氏が漫画を描く『吾妻ひでおと新井素子の愛の交換日記』という連載があったのだ。これもわりに好きだった。
新井氏のイメージは、今でも吾妻氏の漫画で描かれたものから更新されていない。
で、何となく旧知の作家だったのだが、1980年当時(13歳)も高校生の頃も読書家でなかった僕は、そして長じて読書好きになってからも最近までSFをあまり読まなかった僕は、彼女の作品を全く読んでいなかったのだ。
それに、あの何とも言えない独特の文体を敬遠する気持ちもあった(エッセイはともかく、小説としては)。
だが、今回を機に中身を読まずに(普段、初読み作家は立ち読みして、その文章が受け入れられそうか確認して買う)レジへ持って行った。
で、感想。
やはり、文体はちょっと辛い。時に脚本のト書きみたいだったり、繰り返しが多かったり。『グリーン・レクイエム』が、こんな短い作品だと知らなかったので、そこにもビックリ。
とにかく、新井氏が、コバルト文庫(中学生の頃、周りでも流行った。僕もドキドキしながら読んだ^^;)などジュニア小説界で人気を博し、ラノベの元祖的存在とも言われることには、何となく納得。
SFというよりファンタジーと呼んだ方がピッタリ来る。
僕は、「男性だから・・・」「女性だから・・・」という物言いはしない主義の人間なのだが、殊この2つの作品に関しては、少女的感性(良い意味で)を保ち続けている女性には(もちろんその全員にとはいえないが)受けそうだ。
やんさんには誠に申し訳ないながら、僕には・・・ちょっと。
しかしながら、『緑幻想』には、人間が引き起こす環境問題・自然破壊に対する、現代にも通じる指摘があり、膝を打つこと数度(いや、心の中で)。
「自然破壊」など無い。自然はいつでもどんな状態でも自然である。人間が破壊しているのは自然ではなく、自分達が安全・安心・快適に生存しつづけられるはず環境である・・・とかね。ほかにも・・・まあいいか。興味のある人をお読みを。『チグリスとユーフラテス』も読んでみるか。
次は、『誰か Somebody』(宮部みゆき・著/文春文庫)。


うまく書きこめなかったみたいです(涙)
やっぱし男性にはこれは無理かぁと
ふくちゃんさんの感想を読んで、
返却しに図書館へ行ったついでに
新井素子本を手に取ったのですが
さすがに少女時代と感性が違っていて
今の自分にはこれ読めないかもと
結局借りずに帰ってきましたw
男性には、少々乙女チック過ぎるかも知れません(笑)。あと、やっぱり文体が人を選びそうですね。