The MANZAI 4 著者名:あさのあつこ(著)
出版社:ジャイブ
出版年:2007.11
ISBN :9784861764554
過去3巻で140万部。書き下ろしとはいえ、よく売れている。『ピュアフル』文庫というネーミングは少々気恥ずかしい・・・^^;。
不登校が原因で喧嘩した父親とそれをなだめようと車で一緒に出かけた姉を交通事故で亡くした男子中学生・瀬田歩。160cm・50kgの小さな細身の体、女性的な綺麗な顔立ち。そして、自分に自信が持てず、他人と関わることをどこかで恐れる歩。母の故郷の街の中学校に転校してきたそんな歩に、「お前に一目惚れしたから、一緒に漫才やろ」と熱烈ラブコールを贈る次期サッカー部キャプテン、ゴツイ体の秋本貴史。嫌がる歩だが、強引で、でもどこか憎めない貴史と関わっていくうちに友達の輪が広がり、ほんの少しずつだが確かに変わっていく。そして、文化祭。2人は遂にステージで漫才を・・・。明るく楽しく繊細でほんわかする青春ストーリー。
・・・というのが、最近まったく更新していない、もうひとつの読書サイトで書いた「The MANZAI 1」の簡単レビュー(ちょっと改訂版)。
自分も思春期の頃イジメにあって、己の存在に自信が持てなくなり、息苦しい世界で生きてきた(1年だけやけど)。でも、ちょっとした自分の勇気(って言葉も気恥ずかし!)と幸運な出会い、そこから始まる新しい人間関係の中で、誰かが自分を認めてくれて、最初は恐々やがて少しずつ自然に自分が出せるようになって、「この世界に居てもいいんだ」と思えた瞬間の幸せ。だから、喜びも戸惑いも、歩の気持ちは自分のことのように理解できる。
4巻まで来ると、すっかり地元の人気者で、クラスの中心的メンバーとも仲良くなり、秋本との日常会話での掛け合いも(嫌々ながらも)絶好調。「だって、瀬田君がいちばん目立つんやもの」とクラスメイトに言われて、平凡で目立たないことをモットーとしてきたはずの歩は戸惑う。でも、戸惑いながらも、少しずつ成長する歩の姿。友情や初恋(=失恋)。眩しいなぁ・・・と思う。
もちろん、思春期は生易しいものじゃない。美しいだけじゃない。苦しくて、醜くて、惨めで、不恰好で、滑稽でもある。そこもかなりリアルに押さえられている。
秋本のボケと歩のツッコミは時にスベッてるところもあるが(でも、プロ級だとリアルじゃないな)、総じてなかなか面白い。僕は電車の中での読書が多いので、笑いを我慢している。能面のように(?)無表情でいることが、時々ツライ(笑)。
映画化が決定しているらしい。2人を初めとして皆を誰が演じるのか楽しみだ。完結していない作品を映画するのは如何なものか・・・と一方では思うのだが。
次は『フリッタ・リンツ・ライフ』(森博嗣・著/中公文庫)。

