水滸伝 14 著者名:北方謙三(著)
出版社:集英社
出版年:2007.11
ISBN :9784087462296
「いい人生だったよ。ほんとうに。戦友と呼べる人間が何人もできた」
宋は梁山泊の完全殲滅を決意。梁山泊の全ての拠点に、禁軍(中央軍)・地方軍・水軍合わせて20万もの兵力を投入する。梁山泊も各拠点の全軍が総力を挙げて迎撃するが、どの拠点でも数百〜数千で数万の宋軍と相対することに。
いかに梁山泊に優れた将軍・将校・軍師、精強な歩兵、迅速果敢な騎馬隊が揃っているとはいえ、圧倒的な物量差の前には、真正面からの戦はできない。大軍の弱点は兵站の確保にあるが、今回の宋は約1年をかけて周到に準備し、巨大な兵力で守りながら、兵糧を運搬するので、梁山泊も相手の兵站を切ることができない。とにかく、それでも20万の兵を長く動かせば、宋という国が傾くほどの軍費を浪費することになるから、梁山泊としては勝てないまでも、智謀の限りを尽くして、相手に時間をかけさせるしか無いわけである。
十四巻では、まだ総力戦・乱戦・激戦前の小競り合いといか中競り合い(?)だが、既に梁山泊側は相当苦しい。秦明を総隊長とする二竜山・桃花山・清風山では、北京大名軍の董万による防御を一枚一枚剥がしていくような慎重かつ粘り強い攻撃により、清風山が奪取されかねない事態に。三山のトライアングルの一角を奪われたら、残りの二山への攻撃も容易になってしまう。秦明の軍師・解珍と清風山の戦闘部隊長・燕順は、あえて清風山を捨てることで他の二山を守るという戦術を取るのだが・・・。
十九巻もあると思っていた北方水滸伝もあと5巻を残すのみ。十五巻はきっと凄まじい戦いになるのだろう。読み続けるのが辛い展開になっていくんだろうなぁ。だって、原典でも最後は・・・(北方水滸伝は原典を大幅に換骨奪胎してるけど)。
でも、待ち遠しい。
水滸伝・一 曙光の章
水滸伝・二 替天の章
水滸伝・三 輪舞の章
水滸伝・四 道蛇の章
水滸伝・五 玄武の章
水滸伝・六 風塵の章
水滸伝・七 烈火の章
水滸伝・八 青龍の章
水滸伝・九 嵐翠の章
水滸伝・十 濁流の章
水滸伝・十一 天地の章
水滸伝・十二 炳乎の章
水滸伝・十三 白虎の章
次は『銀座開花おもかげ草紙』(松井今朝子・著/新潮文庫)。


この巻は全体的にどこか淡々としているように感じたんですが、だからなのか燕順の言葉にどかーんとやられました…。
「いい人生だったよ。」
そう言って、任せろとばかりに清風山で踏ん張った燕順の姿には涙でした…。
死ぬときに「いい人生だったよ」と言えるなら幸せですよね。そうありたいものです。