銀河英雄伝説 5 風雲篇 著者名:田中芳樹(著)
出版社:東京創元社
出版年:2007.10
ISBN :9784488725051
“忠誠心というものは、いわば鏡に映った自己陶酔であるから、鏡の役目を果たす主君には、美しい像を映してだしてほしいというのが、宮仕えする人間の願望であろう。”
物語も折り返し地点だ。
銀河帝国軍最高司令官兼宰相ラインハルトは、占領地フェザーンから空前絶後の大艦隊を率いて、自由惑星同盟領内に乗り込む。
現状では自由惑星同盟の敗北は必至と見たヤンは、眼前のロイエンタール軍との戦いを捨て、民間人を保護しつつ、配下の全艦隊を率いてイゼルローン要塞を離脱、同盟首都ハイネセンへ向かう。
かくして、自由惑星同盟領内において、ヤンのいない同盟軍と銀河帝国軍との戦闘が開始される。ヤンの尊敬する宇宙艦隊司令官ビュコックの下、劣勢の中でも善戦する同盟軍だが、帝国軍の猛攻の前に、命脈は尽きようとしていた。
しかし、イゼルローンから駆けつけたヤンが危機的状況を打開し、戦いは仕切り直しとなる。
ヤンの考える同盟唯一の勝利法は、帝国軍の智将達を各個撃破、ラインハルト自らを引き摺り出して、正面決戦を挑み倒すこと。これによって、もはやラインハルト個人の卓越した能力とカリスマ性およびラインハルトへの忠誠心で成り立っている銀河帝国は一気に弱体化し、当分の間は戦争を回避できる。
神出鬼没、その実、綱渡りの奇策によって、次々とラインハルト麾下の驍将を打ち破るヤン。そして、ヤンの狙いを分かっていながら、最高の好敵手を倒すために、遂に自ら戦いに臨むラインハルト。
今回は巻のほとんどが戦闘場面で、中でも巻の4分の1を占めるヤンとラインハルトの戦いが最大の見せ場。「不敗」と「常勝」の対決に相応しい、一進一退、逆転また逆転、手に汗握る勝利と敗北紙一重の戦いである。
だが、遂にヤンはラインハルトを追い詰める。
しかし・・・。
はい、後は自分の眼で!
銀河英雄伝説1黎明篇
銀河英雄伝説2野望篇
銀河英雄伝説3雌伏篇
銀河英雄伝説4策謀篇
次は、『時砂の王』(小川一水・著/ハヤカワ文庫)。

