最後の願い 著者名:光原百合(著)
出版社:光文社
出版年:2007.10
ISBN :9784334743208
役者&演出&脚本を手がける青年が自らの劇団を立ち上げるために優秀な人材をスカウトしつつ、彼らが巻き込まれた謎や事件を解き明かしていく連作ミステリ。
一話ごと、事件を解決するごとに、原作担当、男優(もうひとりの探偵役)に制作事務担当、舞台美術担当、女優、稽古場となる洋館の提供者、女優にスポンサーと仲間が増えていく趣向はなかなか面白い。
役者は赤の他人になりきるために、その役の人物そのものをトレースしていく(全ての役者がそういう方法を取るわけじゃないとしても)。その能力が探偵役に活かされるという着想も面白い。
だが、いろんな顔を見せる主役の青年のアクの強さにもうひとつ馴染めない。人間の心の裏側、屈折した心理を暴くような作風も読後感はそんなに良くない。
ついつい、光原氏には爽やか路線を期待してしまうのだった・・・。
ネタバレになるので書けないが、劇団メンバーが揃って、いよいよ旗揚げ公演という最終章で○○が出てくるってのもなぁ・・・。
次は『生首に聞いてみろ』(法月綸太郎・著/角川文庫)

