太陽の塔 著者名:森見登美彦(著)
出版社:新潮社
出版年:2006.05
ISBN :9784101290515
長く読書をしていると、好きなシリーズ物が増えて、その新刊をフォローすることに忙しくなり、未知の作家に出会う時間が減る。さりとてシリーズ物ならではの魅力も捨てがたし・・・。ジレンマだ。
でもないか。
森見氏は初読み。日本ファンタジーノベル大賞受賞作ということで、一応「ファンタジー」にカテゴライズしてみたが・・・これがファンタジーなら、なんと華のないファンタシジーであることか(笑)。
でもいいね、こういうファンタジーがあっても。
・内容
私の大学生活には華がない。特に女性とは絶望的に縁がない。三回生の時、水尾さんという恋人ができた。毎日が愉快だった。しかし水尾さんはあろうことか、この私を振ったのであった!クリスマスの嵐が吹き荒れる京の都、巨大な妄想力の他に何も持たぬ男が無闇に疾走する。失恋を経験したすべての男たちとこれから失恋する予定の人に捧ぐ、日本ファンタジーノベル大賞受賞作。
(「BOOK」データベースより)
もっと破天荒で、ヌメヌメ、ジメジメ、男汁(森見氏の造語だろうか?)プンプンの、匂いそうな作品かと期待していたが、意外に大人しいというか、上品な作品だった。そこが少々物足りないといえば、物足りない。
だが、「ゴキブリキューブ」は想像するだに恐ろしい(笑)。こんな目にだけは遭いたくないなぁ・・・。
モテない男の手記に溢れる過剰な自意識、過剰な自信、その裏に押し込めようとしても滲み出る不安や寂しさや自己防衛意識が無闇におかしい。男なんて煎じ詰めればこんなものかもねぇ・・・。この人の作品、また読もう。
次は、愛読シリーズの新刊で、『やさしい男 慶次郎縁側日記』(北原亞以子・著/新潮文庫)

