生物と無生物のあいだ 著者名:福岡伸一(著)
出版社:講談社
出版年:2007.05
ISBN :9784061498914
今、話題のベストセラー。著者の福岡伸一氏は時の人となり、先日NHKの「爆笑問題のニッポンの教養」にも出演。内容はもちろん本書に関連することであった。いや、観てないけど。
本書は、遺伝子の本体「DNA」発見までの過程に始まって、DNAによる自己複製能が生命の本質であること、しかも全てのDNAは原子レベル・分子レベルにおいて常に高速で入れ替わっており、生物とは「動的平衡を維持するもの」であるということを、僕のようなド文系アタマの人間にも分かるように(分かった気になるように?)、実に平易に解き明かしてくれる。
例えば、我々人間の場合、半年も経てば原子・分子レベルでは完全に生まれ変わった別人なのである。不思議。
しかし、そういった生物学の最先端の知見以上に興味深かったのは、科学者たちが織りなす人間ドラマである。「人間ドラマ」とは言っても、そこにあるのは高尚さではなく、人間臭さというか、愚かさというか、セコさというか・・・他人の実験データを盗み見たり・・・科学者も人の子、虚栄心だってあるということだ。
それに、日本ではお札の肖像画にまでなっている野口英世が、現在のアメリカでは全く評価されていないことも印象に残った。彼は、梅毒やポリオなどの感染症の病原体を発見したとされているが、今日ではそれが間違いであったことが証明されているそうだ。
知らぬは日本人ばかりなりか。。。
それにしても、ますます研究が進展して、人間を含む全生命の営みの仕組みが完全に解明されたとしても、なぜそんなうまい具合に命がデザインされ、プログラムされたのかという神秘そのものは残るような気がする。だから、宗教も無くならないだろうな(僕は無宗教派だが)なんてことを考えながら、読み終えた。
たまにはこんな読書も良いものだ。
次は、もう読み終わった『M8』(高嶋哲夫・著/集英社文庫)。
【16:40追記】
さきほど、夕飯の買い物のついでに、近所の書店に寄ったら、村上春樹氏の新刊が!小説ではなくてエッセイで『走ることについて語るときに僕の語ること』(文藝春秋)。新聞広告より先に発見できるなんて、嬉しいサプライズ。まさに『小確幸』だ!今日から読むぞぉ。

