反自殺クラブ 著者名:石田衣良(著)
出版社:文藝春秋
出版年:2007.09
ISBN :9784167174125
石田衣良氏は、このシリーズの第1作でオール讀物推理小説新人賞を受賞してデビュー。確かにシリーズ初期にはミステリ的要素がないわけでもないけど、今となってはなんだか不思議な感じだなぁ。
今作も、池袋西口公園近くの実家果物屋の店番であり、コラムニストであり、池袋のトラブルシューターでもあるマコトが、ストリートギャングのGボーイズの王様タカシ(高校時代の同級生)や、羽沢組系氷高組本部長代行のサル(中学時代の同級生)、凄腕のハッカー・ゼロワンなど、お馴染みのメンバーの力を借りつつ、いろんな事件に関わり合い、あれよあれよと(短編だもんな)解決していく。
まあ、ご都合主義的というか、結局いつもうまく行き過ぎるというキライもあるにはあるけど、新しい社会風俗や現代社会の歪みを巧みに織り込んだストーリー、レギュラーだけでなくその回にしか登場しない主役級ゲスト(=トラブルをマコトに持ち込む連中)など、登場人物の魅力で、軽快に読ませる。
集団自殺とか、日本企業による中国労働者への搾取とか、同じ題材や設定で大沢在昌氏あたりが書いたら、きっともっとヘヴィな作風になるだろうな(笑)。それも読んでみたい気がするけど。
次は、久し振りに小説を離れて、『生物と無生物のあいだ』(福岡伸一・著/講談社現代新書)。

