2007年10月06日

螢坂


螢坂
著者名:北森鴻(著)
出版社:講談社
出版年:2007.09
ISBN :9784062758314


 『花の下にて春死なむ』『桜宵』に続く、ビアバー香菜里屋(かなりや)シリーズの第3弾。

 このシリーズには、僕が好きな小説の要素が2つある。

 まずは安楽椅子探偵モノであるということ。

 探偵役のマスター・工藤が登場するのは、ほぼ香菜里屋のカウンター内に限定される。そこを訪れた客の言葉から、客の頭を悩ませる謎を解き明かし、抱える悩み・不安・迷いをさらりと取り除く。人の心を開かせずにはいられない穏やかで温かな容貌や物腰、舌を蕩けさせる旨い料理の向こうには、真相を見抜く明敏な洞察力が息づいているのだ。

 第2に料理の描写が簡潔にして冴え渡っていること。

 詳細なレシピの記述こそないものの、特に今作では過去2作に比べて、「自分でも作れるかも・・・」と思えるメニューが多かった。実際、近々やってみるつもりだ。どんなメニューが登場したか、ここでぜひ紹介したいところだが、この作品をこれから読む方の楽しみを半減させることになるので、涙を飲んで(?)自粛する。

 ちなみに、旨そうな料理という点では、同じ著者の『メインディッシュ』というミステリもオススメ。

 ああ、しかし、どこかにこんな隠れ家的な、決まったメニューだけでなく、その時々のオススメ料理を自在に供してくれる良いお店がないかなぁ・・・。こんな店なら、そりゃ、すぐに常連になってしまう。度数の異なる4つのビール、特にロックスタイルで飲む12度のビールとやらを飲んでみたい。


 次は、『反自殺クラブ 池袋ウエストゲートパークX』(石田衣良・著/文春文庫)。
posted by ふくちゃん at 20:53| Comment(2) | TrackBack(1) | ミステリ
この記事へのコメント
はじめまして。TB承認ありがとうございます。
この『香菜里屋』シリーズは本当にお料理の描写が素晴らしいですよね。是非是非『香菜里屋』へ行ってみたいと思ってしまいます。
Posted by romi at 2008年06月01日 20:34
>romiさん。
こちらこそTBありがとうございました。
『香菜里屋』シリーズも単行本では終わってしまいましたね。残念です。いつか復活して欲しいです。
Posted by ふくちゃん at 2008年06月02日 22:56
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※半角英数字のみのコメントは書き込みができないようになっています。

この記事へのTrackBack URL

※半角英数字のみのトラックバックは受信されないようになっています。

螢坂
Excerpt: 螢坂 北森鴻著ビアバー『香菜里屋』シリーズ第三弾。誰も自分を待つ者のない街へと十六年振りにやって来た有坂祐二は、焼き杉造りの『馮..
Weblog: slow match
Tracked: 2008-05-29 01:12