水滸伝 12 著者名:北方謙三(著)
出版社:集英社
出版年:2007.09
ISBN :9784087462081
日本でもわりに最近まで塩の専売制が残っていたように、古来、塩というものは国家の財源確保の重要なツールであり、それゆえ国家権力の象徴でもあった。
・・・らしい(知ったかぶり)。
だからこそ、梁山泊が蜂起の準備段階から力を入れて張り巡らせた「闇塩の道」は、宋という国の権力・権威を脅かすものであり、梁山泊を宋に対抗する「国」として運営していくために不可欠なのである。
その全貌を知るのは、頭領の晁蓋でも宋江でもなく、ただひとり北京大名府の商人・盧俊義(ろしゅんぎ)のみ。全体像を知る者が多いほど、情報漏洩の可能性も高まるからだ。
青蓮寺は徹底した調査で、闇塩の頭目の可能性のある北京大名府の人間を盧俊義を含む18名まで絞り込むが、そこから先へは進めない。しかし、ここで思い切って、その18名全員を捕縛し、拷問にかけるという荒業に打って出る。
そして、拷問に対する反応などから、遂に盧俊義ひとりに的を絞った。過酷な拷問に身も心も毀れかける盧俊義・・・。闇塩の道はとうとう暴かれるのか。
一方、盧俊義捕縛の報を受けた梁山泊。
盧俊義の従者・燕青(えんせい)は大急ぎで北京大名府に戻り、飛竜軍の王英らと共に捨て身の奪還作戦を敢行。そして、梁山泊は盧俊義の救出と闇塩に関わる全ての痕跡を消し去るべく、北京大名府占拠のため、ほぼ全軍で出動する。
しかし、北京大名府奪回の命を受けた将軍・関勝率いる3000の軍が、防備の手薄となった梁山泊に密やかに侵攻し・・・。
・・・というのがメイン・ストーリー。
関勝は、秦明や花栄、呼延灼と同様、地方軍の優秀な将軍で、これまた登場人物一覧表では初めから梁山泊側になっているから、いつどんなきっかけで官軍を離れて梁山泊に合流するか・・・と思っていたら、なかなか味のある展開。
さて、前巻で梁山泊に大打撃を与えた史文恭(しぶんきょう)。どうやら、今度は金貸し&闇の妓楼の経営者として、梁山泊が宋から奪って運営している街に紛れ込むつもりらしい。理想や志に燃える梁山泊の兵を「欲望」の力で堕落させること、そして中心人物をまたも暗殺することを考えているのだ。そのイヤラシイ怖さ・・・。
北方水滸伝の楽しさは、敵味方問わず、数多くの登場人物ひとりひとりの心や人生模様にキチンとスポットライトが当たること。次の巻は誰の物語かな?
水滸伝・一 曙光の章
水滸伝・二 替天の章
水滸伝・三 輪舞の章
水滸伝・四 道蛇の章
水滸伝・五 玄武の章
水滸伝・六 風塵の章
水滸伝・七 烈火の章
水滸伝・八 青龍の章
水滸伝・九 嵐翠の章
水滸伝・十 濁流の章
水滸伝・十一 天地の章
次は、豊川悦司主演で映画化の『犯人に告ぐ(上・下)』(雫井脩介・著/双葉文庫)。


読みました〜。
前回の晁蓋の死がかなりこたえてたんですが…そんな感傷に浸ってる間もなく盧俊義がつかまってしまって…読みながらアワアワしてしまいました…。
史文恭がこれまたイヤラシイですよね…。
こいつは、なんでこんな手を考え付くんだ〜!と腹がたってしまいます。この先が怖い…。
拷問とか暗殺のシーンって辛いですね。
史文恭はイヤラシイです、その意味においては、もう天才です。こんなヤツに目を付けられたくありません(笑)。