クレイジーフラミンゴの秋 著者名:誼阿古(著)
出版社:ソフトバンククリエイティブ
出版年:2007.02
ISBN :9784797340600
学校なんかバッカみたい。先生もバッカみたい。クラスの子たちもバッカみたい。ママもパパもバッカみたい。そして、そんなことばっか考えてる自分が一番、バッカみたい。…ってなこと思ってる晴ちゃんは13歳、中1の女の子。もちろん、だからって変な子って呼ばれて浮きたくないし、教室の隅っこで地味に一般庶民やってたのに、たった13票で学級委員になっちゃった。文化祭前の騒がしい学校でやる気のなさそな担任と無意味なやる気だけいっぱいのクラスメイトを抱え、新米リーダーは無視され嫌われこき使われて、もう泣きたいことばかり。おまけに、なんだか最近、気分まで変。ずっと昔の中学で、ちょっと変わった1年生の、今も昔も変わらない「おんなのこものがたり」。
(「BOOK」データベースより)
『クレイジーカンガルーの夏』の続編。とはいえ、主人公は前作の男の子4人ではなく、うち2人の同級生の女の子(その2人の男の子は主要人物として、残りの2人もチョイ役で登場)。ストーリーも直接の関連はないので、姉妹編と呼ぶのが相応しい。
で、前作はまだしも「ひと夏の冒険」的要素があったが、今作で描かれるのは一層平凡な中学生の日常である。
しかし、小説としての完成度はこちらの方がずっと上で、不安定で、ミジメで、嫌らしくて、息苦しくて、それでいてかけがえのない思春期という時間をリアルに思い出させてくれる。登場する音楽 ― ビートルズやサイモン&ガーファンクル、サラ・ヴォーンetc. ― も、前作はただ登場するだけで、ストーリーにマッチしないというか、必然性がない感じだったけど、今作は効果的に(言い過ぎか?)使われている。
文化祭で行われるクラス対抗の合唱コンクールで、なかなか盛り上がらなくて、まじめに練習しないヤツがいて、皆がまとまらなくて、でもスッタモンダの末に最後には良いものができて・・・というエピソードは、僕も中学時代に合唱&合奏コンクールで経験していたので ― 放課後の練習中、小太鼓担当のトっちゃん(今も友達)がダラダラした雰囲気にキレて途中で帰ってしまい、音楽室で残った全員で緊急学級会して、その結果をトっちゃんに僕が電話で伝えて・・・とか ― 他人事とは思えず(笑)、面白かった。
まあ、主人公の女の子が担任の先生に恋して云々・・・という終盤はやや陳腐な気もしたが、実際そういうこともあるだろうから、一概にリアリティがないとは言えない。
それにしても、GA文庫という、おそらくは“その筋の人”以外にはマイナーな文庫に、こういう普通の小説がラインナップされているのは、このシリーズにとっていささか不幸な気がするけどな・・・。集英社文庫あたりに入れてもらいたい(なんとなく・・・)。
次は『銀河英雄伝説4策謀篇』(田中芳樹・著/創元SF文庫)。

