三人目の幽霊 著者名:大倉崇裕(著)
出版社:東京創元社
出版年:2007.06
ISBN :9784488470012
念願かなって大手出版社に就職したものの、『季刊落語』なるマイナー雑誌に配属された新米編集者と、同じ部署のたった1人の先輩であり上司であるベテラン編集長を主人公にした連作短編ミステリ。
衝撃の辞令を受けて泣く泣く「季刊落語」編集部の一員となった間宮緑は、牧編集長の洞察力に感嘆しきり。風采は上がらず食べ物に執着しない牧だが、長年の経験で培った観察眼に物を言わせ、しばしば名探偵の横顔を見せるのだ。寄席の騒動や緑の友人が発したSOS、山荘の奇天烈も劇的な幕切れはご覧の通り。意表を衝く展開を経て鮮やかに収斂する、妙趣あふれるデビュー連作集。
(「BOOK」データベースより)
落語を題材にした「日常の謎」系ミステリといえば、北村薫氏の「円紫師匠と私」シリーズが思い浮かぶが、本作には殺人もある。
あと、意外に読後感が良くない(解説者は表題作を後味が良いと書いているが、そんなふうには思えなかった)。人間の業を見るような気がする。「日常の謎」系ミステリにはそういうものは求めていないのだ。
真相に辿り着く過程も真相も、切れ味はイマイチかな。
でも、落語の勉強になって、そこは楽しい。
多分、続編の『七度狐』(こちらは日常の謎ではないよう)、『やさしい死神』も文庫になったら読むと思う。
次は、遂に読んでみた“平成の大ベストセラー”佐伯泰英の『居眠り磐音 江戸双紙 陽炎の辻』(双葉文庫)。

