2007年07月31日

夕凪の街 桜の国


夕凪の街桜の国
著者名:こうの史代(著)
出版社:双葉社
出版年:2004.10
ISBN :9784575297447


 ずっと気になっていた漫画。映画を観たついでにようやく購入した。

 映画は2時間弱。こちらはわずか100ページで、すぐ読了。細かい設定の違いはあっても、映画はこの原作にかなり忠実に作られているんだな、セリフなんかも。

 原爆投下直前・直後の話ではなく、10年後の昭和30年を舞台にした『夕凪の街』とほぼ60年後の平成16年を舞台にした『桜の国』、時間を隔てた2つの物語。

 1つの家族の歴史として描かれることで、原爆がもたらしたもの、そしてそれはまだ終っていないことが確かに伝わってくる。

 画風は可愛らしく、筆致はあくまで淡々。時にユーモラスに(『桜の国』は結構笑える)、それぞれの時代の普通の人の日常を描く。

 一見、明確な主張はない(ように見える)。だが、原爆投下が引き起こしたことを垣間見せる、ちょっとした描写が胸に沁みてくる。

 特に『夕凪の街』のラスト3ページは、漫画であることを放棄したような手法でありながら、漫画でしか為しえない ― 小説や映画では不可能な ― 描写であり、その凄さは特筆モノ。なんともいえない読後感が残る。

映画『夕凪の街 桜の国』レビュー


 次は、そろそろミステリ欠乏症なので、『三人目の幽霊』(大倉崇裕・著/創元推理文庫)。
posted by ふくちゃん at 23:52| Comment(2) | TrackBack(3) | 漫画
この記事へのコメント
こんばんは♪
TBありがとうございました!
映画を先に見て興味を持ったので、図書館に予約を入れておいたら、いまごろやっと順番が回ってきました。
それだけ貸し出されることが多かったということで、この本に興味を持ってもらえること自体が嬉しいですね〜。
絵柄もとても落ち着いていて可愛くて好感が持てました。
一家4人で見たのですが大好評でしたよ!
Posted by ミチ at 2007年12月27日 21:25
素晴らしい漫画でした。
大勢の人に読んでほしい本です。
Posted by ふくちゃん at 2007年12月29日 00:04
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0030『夕凪の街桜の国』
Excerpt: ★★★★★5 夕凪の街桜の国 こうの 史代 愛しかった都市のすべてを 人のすべてを思い出し 帯の文句ははずれではなかった。 「今年いちばんの感動を呼んだ作品」 「実にマンガ界この十年の最大の収穫」
Weblog: 25peso読書ノート
Tracked: 2007-08-11 21:21

夕凪の街 桜の国
Excerpt: 夕凪ってロマンチックに聞こえるけど、夕方に風がやみ蒸し暑い状態をいうんだ...と、あらためて思い知った。今までにも、私には知らないことはたくさんあったけど...。『夕凪の街』はノスタルジックな風景と、
Weblog: 描きたいアレコレ・やや甘口
Tracked: 2007-08-23 21:25

「夕凪の街 桜の国」 こうの史代
Excerpt: {/book/}「夕凪の街 桜の国」 こうの史代おはなし:昭和30年、灼熱の閃光が放たれた時から10年。ヒロシマを舞台に、一人の女性の小さな魂が大きく揺れる。最もか弱き者たちにとって、戦争とは何だった...
Weblog: ミチの雑記帳
Tracked: 2007-12-27 21:10