真夜中の五分前 著者名:本多孝好
出版社:新潮社
出版年:2007.07
ISBN :9784101322513
真夜中の五分前 著者名:本多孝好
出版社:新潮社
出版年:2007.07
ISBN :9784101322520
ブログを更新しそびれている間に、sideA、sideB両方読み終わったので、まとめて。
ネタバレあり。
sideAでは広告代理店に勤めている主人公の「僕」。学生時代、交通事故で恋人を失ったが、愛していたはずの彼女を失っても、自分が何も失わず、ただ呆然とするだけで、決して心の底から哀しんではいないことに、今も混乱している。自分は彼女を愛してはいなかったのではないかと。
そんなある日、プールで偶然知り合った女性・かすみとプラトニックともいえるデートを重ねるようになる。彼女には一卵性双生児の妹・ゆかりがいる。そして、ゆかりには裕福で非の打ち所のない好青年の婚約者・尾崎がいる。
実は、かすみも尾崎を愛している。ゆかりと彼女は、思考も志向も嗜好も完全にシンクロしてしまうのだ。なぜ、自分と尾崎ではなく、ゆかりと尾崎なのか?そんな想いから逃れるために、僕と交際(のようなもの)を続け、僕もそれを受け入れてる。
やがて、僕とかすみは互いの混乱の中で寄り添い合い、結ばれる・・・。
sideBは、sideAから2年後。僕は転職して、閑古鳥の鳴く店をリニューアルして繁盛店に変えるプロデューサーのような仕事をしている。そして、かすみは冒頭から死んだことになっている(これには結構驚いた。同時にまたこのパターンかよ、とも)。1年半前、ゆかりと2人で行った海外旅行で事故に遭遇したのだ。ゆかりの方は何とか無事で、現在は尾崎と結婚している。
しかし、ある日、尾崎が僕を訪ねて来て「ゆかりと会ってほしい」と言う。「彼女が本当にゆかりなのか、それともかすみなのか確かめてほしい」と。
本多孝好は若い頃から上手い作家だった。まだ20代の頃に出版された『MISSING』や『Alone Together』などは好きな小説である。
今作も上手いことは上手い。
洒落た文体、洒落た会話。
だか、どうしても読みながら「しゃらくせぇ!」という想いを禁じ得なかった。やや虚無的で、でも優しげな主人公の性格・言動や仕事内容、双子の登場、かつての死んだ恋人・・・村上春樹の安っぽいパクリを読んでいるようだった。
これはアカン。
次は『闇の守り人』(上橋菜穂子・著/新潮文庫)。

