2007年07月03日

水滸伝・九 嵐翠の章


水滸伝 9
著者名:北方謙三(著)
出版社:集英社
出版年:2007.06
ISBN :9784087461640


 「女ひとり救えなくて、なんの志か。なんの夢か」

 騎馬隊を率い、天下無双の槍の腕で、縦横無尽の活躍を見せてきた林冲。だが、死んだはずの妻・張藍が生きているという情報に、ただ1人戦場を離脱し、救出へ向かうが・・・。

“罠だった。しかし、後悔はしていない。張藍のためと思って、ここまで来たのだ。誰のためでもない。張藍のためだった。”

 上の描写はハッキリ罠だと分かった直後のものだが、恐らく林冲は最初から罠だと分かっていたし、罠でも構わないと思いながら、飛び込んできたのだろう。

 そこが、熱い。

 かつて共に脱獄した安道全と白勝の友情も熱い!

 今回は、宋側も遂に地方軍だけでなく、中央軍が大規模に(といっても軍全体から見ればまだまだ小さい)動き出す・・・今回は陽動だけだが。そして、梁山泊の財源となってきた「闇塩の道」もピンチ。

 これまで本格的な相手は青蓮寺だけだったが、ゆっくりとではあっても宋という国全体が動き始め、戦いは国(宋)と国(梁山泊)との全面抗争の様相を呈しつつある。どちらかというと梁山泊がやや劣勢ながらギリギリすり抜けている感じ。緊迫感漂うなぁ。

 そのほか、王進の元で修行を続けてきた鮑旭と馬麟はついに梁山泊へ。そして真に強い男になるために、楊令が王進の元へ。

 林冲の危機絡みで、そして盧俊義の危機絡みで新たな仲間が加わる。

 秦明と公淑のちょっとイイ話もある。

 というわけで、今回もテンコ盛りの展開。

 そして、この巻の最後で死ぬのはあの人。これまた呆気ないがゆえに、印象的な死のシーンだった。

水滸伝・一 曙光の章
水滸伝・二 替天の章
水滸伝・三 輪舞の章
水滸伝・四 道蛇の章
水滸伝・五 玄武の章
水滸伝・六 風塵の章
水滸伝・七 烈火の章
水滸伝・八 青龍の章


 次はSF大河『銀河英雄伝説3 雌伏篇』(田中芳樹・著/創元SF文庫)。
posted by ふくちゃん at 00:10| Comment(3) | TrackBack(2) | 歴史・時代小説
この記事へのコメント
こんばんわ☆

もう読んじゃったんですね〜!早い!
私も買ってはいるんだけど…いま読んでる『鳥類学者のファンタジア』がえっらい時間かかって…なかなか読み終わりません…。
この巻でも死んじゃう人がいるんですね…。うわー、誰なのか気になります。
Posted by マメリ at 2007年07月04日 00:27
>マメリさん。
あっという間に読める本も、じっくり読める本もどっちも良いですね。
『鳥類学者のファンタジア』かぁ。奥泉光氏は、読んでみたいけど読んだことのない作家のひとり。何がオススメですか?
Posted by ふくちゃん at 2007年07月05日 00:29
こんばんは。

奥泉さん、読んでみたい作家さんの1人ですか!
ぜひ、挑戦してみてください♪
すっごい好き嫌いが別れそうですが…。

私はまだ『モーダルな事象』(アトランチィスコインをめぐる話)と『鳥類学者のファンタジア』(ジャズピアニストがタイムスリップする話)の2作しか読んでないんですけど、どちらもそれぞれ不思議な盛り上がりがあって楽しかったです。

けど、熱中度でいったら『鳥類学者』かなぁと思います。
フォギーがピアノを弾いている場面とか、かなり熱中して読んでしまったので…。『モーダルな事象』ではそこまで熱中!ってならなかったかな…。
Posted by マメリ at 2007年07月10日 01:15
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