2007年06月26日

幸福な食卓


幸福な食卓
著者名:瀬尾まいこ(著)
出版社:講談社
出版年:2007.06
ISBN :9784062756501


 瀬尾まいこ氏は初読み。この作品が原作の同名の映画はなかなか良かった。だからこそ、読む前は少々不安(って大袈裟か)だった。

 先に映像化された作品を観て気に入ると、原作を読んでも「なんか違うな、無駄が多いな」と思ってしまったりする。逆に原作を先に読んで気に入った場合は、映画やドラマを観て「役者がイメージと違う」だの、「おいおい、そこを省略(改変)か」だのと・・・。

 全く勝手なものである。

 今回も多少そういう面があった。でも、主役の佐和子と大浦君の2人は原作と映画でイメージぴったりだ。佐和子の両親は、映画では羽場裕一と石田ゆり子なのに、小説を読んでいる間はなぜか長塚京三と手塚理美だった。

 まあいい。

 他にも、映画と原作では色々細かい違いもあるのだが、それも今回は気に障ることなく、むしろ楽しめた。

 多分、原作そのものがちゃんと心に届く作品だからだ。


佐和子の家族はちょっとヘン。父を辞めると宣言した父、家出中なのに料理を届けに来る母、元天才児の兄。そして佐和子には、心の中で次第にその存在が大きくなるボーイフレンド大浦君がいて…。それぞれ切なさを抱えながら、つながり合い再生していく家族の姿を温かく描く。吉川英治文学新人賞受賞作。
(「BOOK」データベースより)


 一風変わった話だが、家族の絆とか、生き辛さとか、思春期のアレコレとか、愛する者を永遠に失う哀しみとか、越えられそうにない哀しみを何となく乗り越えていく人間の柔らかな強さとか、そういうものが確かに描かれてる。

 恋愛小説としても、『セカチュー』の10倍は良い。

 ただ、エンディングの余韻という点では、映画に軍配。でも、小説ではあの終わり方は無理だから、仕方がない。

 とにかく、また1人、継続して読みたい作家が増えた(増える一方で困ったもんだ。金と時間が足りん・・・)。知っている人も多いと思うけど、瀬尾氏は現役の中学国語教師である。実作者に習う国語の授業って楽しそうで、生徒が羨ましい。


 次は、『グラスホッパー』(伊坂幸太郎・著/角川文庫)。
posted by ふくちゃん at 00:15| Comment(2) | TrackBack(1) | 青春小説
この記事へのコメント
ふくちゃんさん、おはようございます♪
わぁい、「幸福な食卓」読まれたのですね!!

瀬尾さんの小説大好きなのです。この本もかなり好きです。
私の場合はふくちゃんさんと逆で、小説→映画のパターンでした。小説も映画もどちらも素晴らしかったですね〜。じんわりじんわり・・瀬尾さんの人に対する視線がとても温かくて彼女の小説はほとんど読後感がいつも壮快なのです。「図書館の神様」も読後感がとても爽やかでした。お時間のある時は是非〜♪
Posted by caho at 2007年06月27日 07:56
>cahoさん。
瀬尾さんのデビュー作が文庫で出ましたね。『天国はまだ遠く』(でしたっけ)共々、読んでみようと思います(文庫ばっかり・・・)。
Posted by ふくちゃん at 2007年06月29日 00:22
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※半角英数字のみのコメントは書き込みができないようになっています。

この記事へのTrackBack URL

※半角英数字のみのトラックバックは受信されないようになっています。

幸福な食卓
Excerpt: 評判作だし映画化したし、とかなり期待。中編連作集で、最初の話は作者と同業のお父さんが抱えた過去と家族への影響を描いて秀逸。しかしそりゃないぜあんた!というラストも含め続編たちは拡散気味かな。ま、家
Weblog: 浮村眠/最近読んだ本(Log)
Tracked: 2007-07-11 19:35