2007年06月24日

桜花を見た


桜花を見た
著者名:宇江佐真理(著)
出版社:文藝春秋
出版年:2007.06
ISBN :9784167640071


 宇江佐真理氏は、お気に入りの時代作家の1人である。特に『髪結い伊佐次捕物余話』シリーズが好きだ。とにかく江戸の市井もの・人情ものを書かせると、上手すぎるぐらい上手い人である。

 だが、この『桜花を見た』は、そんなイメージとは異なる作品集。

 表題作の『桜花を見た』は、遠山の金さんこと遠山左衛門尉景元とその隠し子(町人)の一瞬の邂逅と情愛を描いた物語。

 そのほかの作品も、葛飾北齋の娘・お栄(『酔いもせず』)、浮世絵師・歌川国直(『別れ雲』)、松前の(円山)応挙と呼ばれた蛎崎波響(『夷酋列像』)、北方探検家・最上徳内(『シクシピリカ』)と、全て実在の人物に中心に据えた中篇小説集。

 金さんと最上徳内以外は、全然知らなかったが。

 『酔いもせず』、『別れ雲』、『夷酋列像』は画という題材で、『夷酋列像』と『シクシピリカ』は松前藩と蝦夷の叛乱という題材でリンクしているのは、なかなか面白い趣向。

 ただ、宇江佐氏の本領は、やっぱり市井・人情ものだな、と思った次第である。

 余談だが、金さんの出てくる場面、僕の脳内劇場では金さん=西郷輝彦氏だった。


 次は、『幸福な食卓』(瀬尾まいこ・著/講談社文庫)。
posted by ふくちゃん at 22:00| Comment(2) | TrackBack(1) | 歴史・時代小説
この記事へのコメント
はじめまして^^
エビノートさんのところから飛んでまいりました。
ここのところずっと宇江佐真理を読み続けております。
「卵のふわふわ」や「深川恋物語」
「伊三次」シリーズはとてもよかったです。

はまりそうだけど、その量の多さに手付かずになっている作家さんの作品を
読まれている方がここに!と感動しながら
コメントさせていただきました。
また寄らせていただきます。
Posted by やん at 2007年09月10日 11:28
>やんさん。
いやぁ・・・お恥ずかしい。
『宇江佐真理氏は、お気に入りの時代作家の1人である』などと偉そうに書いてますけど、読んで切る量ではやんさんに完全に負けてます(汗)。
雑読家ですが、宜しくお願いします。
Posted by ふくちゃん at 2007年09月11日 00:11
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桜花を見た/宇江佐真理
Excerpt: 桜花(さくら)を見た実在の人物を題材にした五篇の中篇集。日本橋「いせ辰」の手代、英助には誰にも言えない秘密がある。それは北町奉行、遠山左衛門尉景元の落し胤ということ…。表題作ほか、葛飾北斎の娘応為、
Weblog: やんの読書日記。
Tracked: 2007-09-10 11:21