村田エフェンディ滞土録 著者名:梨木香歩(著)
出版社:角川書店
出版年:2007.05
ISBN :9784043853014
今日は珍しく、平日に仕事休み。というわけで、こんな時間からPCに向かっている。関西も明日には梅雨入りしそうということだが、今日もじっとり暑い。
そんなジメジメ、ジトジトを忘れさせてくれるような清涼な一冊が『村田エフェンディ滞土録』。
てっきり“村田エフェンディ”という名前なのかと思っていたら、「エフェンディ」とはトルコ語(?)で、学問を修めた人への敬称とのこと。ま、“村田先生”みたいなものか。
この村田君は、同じ著者の『家守綺譚』の「木槿(むくげ)」の章に“土耳古(トルコ)に行っている友人の村田から便りが届き・・・”と間接的に登場するあの村田君である。最後には『家守綺譚』とリンクするので、そちらから先に読んでおくのがベターかな。
本書は、明治維新後の近代化を急ぐ日本を代表して、考古学研究のために招請・派遣された村田の少し不可思議な土耳古滞在録。
時は1899年、舞台は土耳古のスタンブール(イスタンブール)。下宿先の主人である英国人のディクソン夫人、土耳古人の召使ムハマンド、下宿人の3人の考古学者=村田&独逸人のオットー&希臘(ギリシア)人のディミィトリス、そして「悪いものを喰っただろう」「友よ」「いよいよ革命だ」「繁殖期に入ったのだな」「失敗だ」の5つの言葉だけを絶妙に皮肉なタイミングで発する鸚鵡(おうむ)。彼等の日常生活や交流を、大英帝国の植民地支配や忍び寄る第1次世界大戦の影を遠景に置きながら、静かなユーモアや小さな祈りや哀しみを湛えつつ、清楚な美しい文章で描き出す。
決して派手ではないけど、心に残る大切な物語だ。
・・・しかし、“土耳古”や“希臘”って普通の変換で出るんやなぁ。
で、次は『みんな元気。』(舞城王太郎・著/新潮文庫)を読む。


この作品を読んでると、私は梨木さんのエッセイ『春になったら莓を摘みに』を思い出しました。どことなく雰囲気が似ていて…。
土耳古や希臘、一発変換できるのが意外ですよね(笑)私も驚きました。
人それぞれ、生理的に合う文体とそうでない文体があると思うんですけど、梨木さんの文章は僕には合うみたいです。エッセイは読んだことないんですけど・・・良いタイトルですよね。