十三歳の仲人 著者名:平岩弓枝(著)
出版社:文藝春秋
出版年:2007.04
ISBN :9784167710057
江戸の人情捕物帖、人気シリーズの文庫最新刊(連載は、もう明治時代編)。
亡くなった同心の父と共にかつては八丁堀に住んでいたが、今は大川端の旅籠「かわせみ」の女主人、『るい』。
るいの八丁堀時代の幼馴染であり、シリーズ途中までは恋人で、今は結婚して旦那となった、吟味方与力の家系の次男坊で軍艦操練所勤務、二枚目で、剣の達人で、優しくさわやかで、老若男女にモテモテの『神林東吾』。
るいの父の元部下で「かわせみ」の番頭、目だった活躍はないけど、いぶし銀の『嘉助』。
やはり八丁堀時代からのるいの家の奉公人、おしゃべりで、噂好きで、世話焼きで、よくも悪くも典型的オバハン・キャラ、(でも憎めない)「かわせみ」の女中頭『お吉』。
るいと東吾の幼馴染、実直で有能な八丁堀の同心『畝源三郎』。その忠実な手下で、東吾に心酔している、岡っ引きの『長助』や『仙五郎』。
東吾と並ぶ2枚目レギュラー・キャラ、医師の『麻生宗太郎』。
そのほか、長寿シリーズなので、とにかくレギュラー多数。
詳しくは、こちらのファンサイト『御宿かわせみの世界』をご参照あれ。
登場人物は多いのに、それぞれのキャラがよく書き分けられている。第1巻からずっと読んでいる身にとっては、最新刊を読むたびに懐かしい旧友たちに出会うようなもの。再会すると、なんだか嬉しくなる。
基本は一話完結の連作短編ではあるが、今回の巻は、第25巻から「かわせみ」の女中として登場した『お石』 ― 最初は力だけはあるが「山出しのエテ公」扱いされるほど、ありとあらゆる面で田舎モノ。今では美しい都会の女性になり、仕事もできて、人柄は初めの頃同様に実直 ― の縁談がらみの話が中心である。
よかったね、お石ちゃん。
しかし、江戸を舞台にした良い時代小説を読むと、江戸に住んでみたいと思っちゃうなぁ。うん。案外そんな気持ちから『金春屋ゴメス』という小説が生まれたのかも(文庫になったら読もう)。
ところで、現実の世界にも『御宿かわせみ』が存在。
ひとつは福島県の『御宿かわせみ』、もうひとつは北海道の『御宿かわせみ』。
はい、お次は『男は旗』(稲見一良・著/光文社文庫)。

