隠し剣孤影抄 著者名:藤沢周平(著)
出版社:文芸春秋
出版年:2004.06
ISBN :4167192381
関西テレビ(フジ系列)のTVドラマ『悪魔が来たりて笛を吹く』を観てたら、書き出しが遅くなってしまった。稲垣金田一の演技というかキャラ設定(妙にどもったり、マントを翻したり)はビミョーな気がしたが、全体に(TVドラマとしては)お金と手間がかかっていて、見応えがあった。期待しなかった分、映画『犬神家の一族』より好印象。
・・・閑話休題。
さて、年末年始に読んだ本、最後は藤沢周平氏の『隠し剣孤影抄』と『隠し剣秋風抄』。
前日(というかもう前々日)の記事では「仕方なく読んだ」と書いたが、藤沢周平作品は基本的に好き。しかし、両親が藤沢&司馬(遼太郎)ファンで実家に結構本があるので、ツイツイいつでも読めると思ってしまうため、かえって意外に読んでいない。
この『隠し剣』2作品は、いずれも藤沢作品によく登場する東北の海坂(うなさか)藩(架空の藩)を舞台にした連作短編集。
ただし、連作とはいっても、いつかの時代の海坂藩のどこかの町を舞台にしている点だけが共通項で、個々の作品は完全に独立しており、様々な「秘剣」の「奥義」を極めた下級の侍etc.が主人公の「剣客モノ」作品集である。
ご存知の方も多いとは思うが、『孤影抄』の中の一篇『隠し剣鬼ノ爪』は別の作品と合体して映画『隠し剣鬼ノ爪』に、『秋風抄』の中の一篇『盲目剣谺返し』は映画『武士の一分』に。
映画は観ていないが、小説は収められている全作品とも、非常に良い。決して明るいとは言えない作品集だが、読んでみて損はないと思う。
短い作品なのに、主人公のキャラが個性豊かにしっかり立っている。著者によって様々な趣向を凝らして創造された剣法の妙。息詰まる闘い。そして訪れるどこか物悲しい読後感。
何でこんなに上手いのかなぁ・・・。もっと生きて、作品を書いてほしかったなぁ・・・。池波正太郎氏ともども、今も多くのファンを惹きつけるのは当然すぎるほどに当然である。
そりゃ『週刊 藤沢周平の世界』も出るよ。
ということで、ようやくリアルタイムの読書にブログが追いついてきた。次回は昨日読み終わったばかりの『女剣士・一子相伝の影』(多田容子著・講談社文庫)で。

