ねこのばば 著者名:畠中恵(著)
出版社:新潮社
出版年:2006.11
ISBN :4101461236
人気の「しゃばけ」シリーズ、文庫化第3弾。今回も楽しく読んだ。
読んだことのない方のために一言で形容すると、「物の怪(もののけ)江戸ものファンタジー」「江戸の若だんな・妖(あやかし)捕物帖」。
・・・何のことやら。しかも二言だ。
じゃ、手抜きだけど、本文からの引用で、も少し説明してみる。
江戸一繁華な通町にある長崎屋は、江戸十組の株を持つ大店で、廻船問屋兼薬種問屋だ。若だんな一太郎は、年があければ十八になる、大事な跡取り息子であった。
・・・気は優しく、頭の方もなかなか聡明である。
甘い奉公人と、甘い甘い兄やたちと、更に甘甘甘の両親という、売り物の砂糖を全部集めたよりも極甘な者達に、若だんなはずっと守られ生きてきた。産まれてこの方、朝と昼と晩に、器用にも別の病で死にかけるほど、ひ弱だったからだ。
・・・今でも、1年の多く、1日の多くを専用の離れ(しかも布団の中だったりする)で、「兄や」こと手代(従業員の中のエライさん。番頭の次)の佐助と仁吉に世話をされながら暮らしている。
大きな声では言えないことだが、長崎屋には妖が沢山入り込んでいた。若だんなの祖母ぎんは、皮衣という大妖(たいよう)の名を持つ者であったからだ。兄やである二人の手代も実は、犬神(いぬがみ)、白沢(はくたく)という妖だ。祖父母が体の弱い若だんなのために、長崎屋に送り込んでくれたものどもだった。
・・・祖母の血を受け継いだ一太郎には、常人の目には見えぬ妖が見える。親にはこの能力は無いから、隔世遺伝だ。
そして、この能力と優れた頭脳を活かし、「何よりも若だんなの健康と命が最優先」という原則の下にしか行動しない犬神=佐助と白沢=仁吉(若だんな大事のあまり、若だんな本人にもやたら厳しいのが笑える)、そして離れに住むその他の妖や町で出会った妖達とも協力して、様々な事件を推理・解決するのが、当「しゃばけ」シリーズ。
ライト・ミステリ、人情捕物帖、ファンタジー、情緒ある江戸モノなど、多面的な魅力を持つ作品であり、楽しく読めるのだが、時になかなか重いテーマを突きつけたりしてくるところも良い。
しかし、妖怪といえば『ゲゲゲの鬼太郎』と『妖怪人間ベム』を思い出す。あの連中もいいヤツ等だった。ベム、ベラ、ベロを遠ざけようとする人間の大人の方が、よっぽど嫌らしく怖かったもんな。それにしても「妖怪人間ベム」のニューバージョンは、絵がキレイでポップ過ぎる。あのドロドロジメジメした暗〜い感じがなくて、ツマラナイぞ。
あ〜、あと「うしおととら」も面白かったな。
・・・何の話だ。
さて、お次は『カラ兄2』(光文社古典新訳文庫)!

