| チルドレン |
 | 著者名:伊坂幸太郎(著) 出版社:講談社 出版年:2007.05 ISBN :9784062757249 |
昨日「GシリーズとXシリーズは、なぜ『G』や『X』なのか分からない」と書いたところ、
未衣名さんより「X」は「イナイ×イナイ」の「×」ことだとコメントを頂いた(シリーズ次巻のタイトルは「キラレ×キラレ」)。
・・・なるほど、そうだったのか。
ちなみにGシリーズの「G」はGreek(ギリシア語)に由来するらしい。シリーズ各巻のタイトルにギリシア文字が使われているからだ。
・・・なるほど、そうだったのか。
言われてみれば簡単なことだ(恥)。こんなことにも気が付かないなんて、ミステリ読んでるわりには、いつまで経っても犯人を当てられないし、トリックも見破れないハズだ。頭がカタイ・・・。
ちなみに森博嗣氏は他人の作品を読んでいても、たいてい途中で真相が分かっちゃうらしい。ミステリ作家って、皆そうなんだろうか。
「俺たちは奇跡を起こすんだ」独自の正義感を持ち、いつも周囲を自分のペースに引き込むが、なぜか憎めない男、陣内。彼を中心にして起こる不思議な事件の数々―。何気ない日常に起こった五つの物語が、一つになったとき、予想もしない奇跡が降り注ぐ。ちょっとファニーで、心温まる連作短編の傑作。
(「BOOK」データベースより)
・・・上手いなぁ。幸太郎(敬称略)!
第1話『バンク』は陣内19歳(大学生)、銀行強盗に遭遇した時の話を、一緒に巻き込まれた友人・鴨居の視点で。のっけから、陣内の自己チューな傍若無人ぶり全開。人質として出会った永瀬が推理する銀行強盗事件の意外な真相も面白い。この銀行強盗の方法は使えるかも!(おいおい)
第2話『チルドレン』は、非行少年を更正させる家裁調査官として働く陣内31歳を、後輩調査官・武藤の視点から。こんなメチャクチャな家裁調査官って・・・。しかし、主任調査官曰く、「陣内君くらい調査官に向いている人はいないよ。けれど彼のやり方をまねしては駄目だよ」、武藤自身も調査官の中で「陣内さんほど少年達に慕われている人は見たことがない」と。何となく納得できるから不思議。
第3話『レトリーバー』は陣内22歳、大学4年生で家裁調査官目指して勉強中。永瀬と恋人(?)の優子、そして陣内が遭遇する不可解な状況とその真相を優子の視点で。
第4話『チルドレン2』は陣内32歳。「俺たちは奇跡(=少年の更生:ふくちゃん注)をやってみせるってわけだ。ところで、あんたたちの仕事では、奇跡は起こせるのか?」、「そもそも、大人が恰好良ければ、子供はぐれねえんだよ」・・・何か知らんけど恰好ええがな陣内・・・。音楽小説としても読める、ええ〜話。
第5話『イン』は陣内20歳。これは説明しがたい話だなぁ・・・。永瀬と優子、鴨居ももちろん登場して、永瀬の視点から。『チルドレン2』の中で、陣内が父親への軽蔑や憎しみを吹っ切るために、父親を「真正面から」「正体がばれないように殴った」と語るが、その経緯と方法が明らかに。
年齢順ではなく、20代と30代の話が交互に描かれるのは、最後にまた何かとんでもないドンデン返しがあるからに違いない・・・と思いながら読んでいたら、そうでもなかった(笑)。
「五つの物語が、一つになったとき、予想もしない奇跡が降り注ぐ」という説明文はどうかと思うが、面白いと思うなコレ。「活字離れのあなたに効く、小説の喜び」という帯の言葉がピッタリくる。
・・・ところで、19ページから20ページにかけての“平にご容赦を、と鴨居に頭を頭を下げる思いだった”は“平にご容赦を、と鴨居は頭を下げる思いだった”の間違いだよね?
次は、『空を見上げる古い歌を口ずさむ』(小路幸也・著/講談社文庫)。
posted by ふくちゃん at 23:25|
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