2007年01月29日

水滸伝・四 道蛇の章


水滸伝 4
著者名:北方謙三(著)
出版社:集英社
出版年:2007.01
ISBN :9784087461145


 梁山泊の間者であり、宋江の妾・閻婆惜(えんばしゃく)の母でもある馬桂(ばけい)。第3巻で宋江は同志である紫進(さいしん)の間者・登礼華(とうれいか/本当は「登」にこざとへん)を匿うために、表向きはもうひとりの妾ということにするのだが、そうとは知らぬ閻婆惜は嫉妬のあまり登礼華を殺し、登礼華と愛し合う仲となっていた宋江(そうこう)の弟・宋清(そうせい)は閻婆惜を殺す。

 全国の同志に会い、また新たな同志を見つけるために、いずれは小役人の仮面を脱ぎ捨てて旅に出るつもりでいた宋江は他の役人の詮索を逃れるため、これを機に自分を閻婆惜殺しの犯人ということにして出奔する。

 一方、宋江が梁山泊の頭領の1人であることを掴んだ青蓮寺は、緻密な謀略により、「宋江に裏切られた」と馬桂に思い込ませることに成功、彼女を梁山泊への逆スパイに仕立て上げ、まずは楊志の妻子に近づける・・・。


 ・・・ああ、いやな予感。第5巻では楊志かその妻子に何か異変が起こりそうである。というか起こるだろう。この4巻の巻末の解説は、ちょっとネタばらし気味だぞ(怒)!

 青蓮寺の幹部の李富が、単に馬桂を道具として利用するだけでなく、本当に愛してしまう・・・というのはいささか類型的な展開だが、違和感はない。むしろ話に彩りというか、少々の深みを添えるだろう。

 そして、宋江が過酷な逃避行を続けながら、新たな同志となりそうな人物たちと知り合い、彼らが宋江に惹かれていく様は、読んでいて楽しく清々しいし、何だかワクワクする。


 ところで、この本、毎回巻頭に【前巻までの梗概】、つまりあらすじが1ページにまとめられている。これは北方謙三氏が自分で書いているのか、編集サイドの仕事なのかは分からないが、巻が進むに連れて、要約は困難になるはず・・・。どこまでも1ページ以内でまとめるのだろうか?最後の19巻目ではどうなっているのか。注目!(笑)。

水滸伝・一 曙光の章
水滸伝・二 替天の章
水滸伝・三 輪舞の章


 次は読み終わったばかりの『ηなのに夢のよう』(森博嗣・著/講談社ノベルズ)。
posted by ふくちゃん at 01:35| Comment(2) | TrackBack(1) | 歴史・時代小説

2007年01月26日

夜に猫が身をひそめるところ Think ミルリトン探偵局シリーズ1


夜に猫が身をひそめるところ
著者名:吉田音(著)
出版社:筑摩書房
出版年:2006.12
ISBN :9784480422873


 大好きなクラフト・エヴィング商會の最新文庫は、『夜に猫が身をひそめるところ Think ミルリトン探偵局シリーズ1』と『世界でいちばん幸せな屋上 Bolero ミルリトン探偵局シリーズ2』の同時刊行。

 これまでも、ちくま文庫の『クラウド・コレクター〈手帖版〉』(クラフト・エヴィング商會)、『すぐそこの遠い場所』(クラフト・エヴィング商會)、『つむじ風食堂の夜』(吉田篤弘)で楽しませてもらっていたので、刊行時に書店で見かけたときは「よし、今度来た時に2冊まとめて買おう!」と心に決めて、他の本を購入して帰った。

 で、それから数日後、ジュンク堂書店に勇躍乗り込んだら、平積みだったはずが『2』は品切れ、『1』も残り数冊になっていた・・・。

 仕方が無いので、『1』だけを購入。

 あの時、この2冊を買えば良かった。

 ・・・しくしく。


 主人公は著者の吉田音(よしだ・おん)。中学生。

 クラフト・エヴィング商會名義で著作・装丁を手がける吉田篤弘・浩美夫妻の娘さんということである。夫妻はクラフト・エヴィング商會の三代目、音さんは四代目ということであるが、虚実ないまぜの話っぽいので、初代・二代目が存在するかどうかは・・・???


 音さんの住む町には、猫がたくさん。

 両親と暮らす彼女の家の庭も、たくさんの野良猫が行き来したり、まどろんだりしている。最近登場した新入りの黒猫は、

“まっくろで、まだ小さいが、なかなか姿かたちがいい。黒いからそう見えるのか、どんな狭いすき間でも、すいすい抜けていく。すいすいと抜け、またどこからか、するするとあらわれ、今度は庭のまん中あたりで立ち止まって腰をおろし、目を閉じ、何やらじっと考えこんでいる様子。”

であるが、ご近所に住むお父さんの古い友達、円田(つぶらだ)さんの家で居候を始めたらしい。「考える」風情の猫だから、円田さんが付けた名前が「シンク(Think)」。

 で、このシンク、夜な夜な散歩に出かけるのだが、必ず「おみやげ」持参で帰参する。最初は小さな青いボタンで、毎日1個ずつ16個。それから小さな鳥の羽根とか。

 シンクはいったいどこへ出かけて何をしているのか?音さんと円田さんは、「おみやげ」を眺めて考える。推理する。でも、シンクを尾行したりしない。できない。だから、ただ考えるだけで「謎を解かない」。それが2人による「ミルリトン探偵局」である。

 最初の章で、シンクが拾ってくる「おみやげ」はキレイな「釘」、「光沢ビス・・・五十」という文字が読める破れた紙袋の切れ端、古い折れ曲がった「釘」、吸いかけのタバコ「ゴールデン・バット」、「謎の白い粉」、「箱舟」という古い映画のチラシ(「おみやげ」の写真がまた良い)。

 円田さんは「安楽椅子探偵」よろしく、これらの断片からシンクの行き先がどこかの大工さんの家であると考え、その人となりまで推理してみせるのだが・・・。

 次の章は、その解答編とも言える物語。


 こんな調子で、シンクの「おみやげ」の元の持ち主の人物像に関する推理の章が3つ(猫だけが行ける場所/川を眺める/11時のお茶)、そして解答編の章が3つ(久助/奏者/箱舟)、交互に登場する。

 解答編の3つの物語は、独立した作品としても読める上に、静かな余韻の残る「久助」、ユーモラスな「奏者」、神話的な「箱舟」というように、それぞれタッチが全く異なる。そして、推理編を含め、全ての章が微かに共振するように触れ合うのである。


 単行本の1999年刊行。著者略歴によると吉田音さんは1986年生まれ。弱冠13歳で発表した作品ということになるが、これが本当なら・・・つい疑ってしまう。だって虚実ないまぜのクラフト・エヴィング商會だもの・・・ちなみに円田さんは別の作品に出てくる架空の人物・・・大したモンである。羨ましい。

 早く増刷してくれぇ〜!!


 ただいまは通勤電車で『水滸伝・四 道蛇の章』を熱い気持ちで(笑)、読破中。自宅で読んでいる『ラギッド・ガール』はようやく半分ほど読了というところ。
posted by ふくちゃん at 01:01| Comment(0) | TrackBack(0) | ファンタジー・幻想文学

2007年01月23日

九十九十九


九十九十九
著者名:舞城王太郎(著)
出版社:講談社
出版年:2007.01
ISBN :4062756242


 『九十九十九』 ・・・ ツクモジュウク。

 名探偵の名前である。

 九十九十九を始め、ミステリ作家・清涼院流水氏の作品(←読んだこと無い)のキャラクタが登場する舞城王太郎の作品。

 他の作家の登場人物を使って作品を書くなんて、さすがは舞城王太郎!

 目次を見ると、第一話→第二話→第三話→第五話→第四話→第七話→第六話の順で話が並んでいる。もちろん、誤植ではない。また、第三話まで読んだところで、第四話へ飛んで、第五話に戻る、という読み方も必要ない。

 なんだコレは?さすがは舞城王太郎!

 で、読み始める。

 第一話は第二話に含まれ、第二話は第三話に含まれ・・・と入れ子式に話が進む。

 ・・・が、しかし。

 楽しく読めたのは、第三話ぐらいまで。

 話はタイムスリップやらパラレルワールドやら、「見立て」やら、「アナグラム」やらで、どんどん複雑怪奇に錯綜してきて、僕の非論理的な脳みそでは付いていけないのだった・・・。

 何なん?

 疲れた。

 『煙か土か食い物』、『世界は密室でできている』、『熊の場所』(以上講談社文庫)、『阿修羅ガール』(新潮文庫)と、文庫化された舞城作品はどれも読んでいて、この人のスピード感のある文体や会話、グロいところもあるけど同時にソコハカトナク漂うオカシサが結構好きなのだが。

 『九十九十九』で感心したのは使用する擬音のセンス。

 例えば。

 ジョワリシイインという音をたてて刀が抜かれると・・・

 ムゥティアアアアアアアアン!電動ノコギリが・・・

 「ゥラウフラフ!ラウフ!」また犬の声が聞こえる。

とか。


 『シンセミア』『九十九十九』とグロい描写のある小説を続けざまによんだので、ほっと和みたくて次は『夜に猫が身をひそめるところ Think ミルリトン探偵局シリーズ・1』(吉田音・著/ちくま文庫)を読む。
posted by ふくちゃん at 00:27| Comment(2) | TrackBack(0) | ミステリ

2007年01月21日

のだめカンタービレ#10〜#16


のだめカンタービレ #10
著者名:二ノ宮知子(著)
出版社:講談社
出版年:2004.09
ISBN :4063405052


 小説の狭間を縫って、『のだめカンタービレ』の10巻から16巻を一気読み。ついでに、『のだめカンンタービレ キャラクターブック』も買って読んだ。

 ここから話はパリ編。

 千秋は指揮者コンクールで、今後ライバルとなるであろう有望な若手指揮者ジャンに競り勝って優勝し、老舗のマルレ・オーケストラの常任指揮者に就任。しかし、ジャンが常任指揮者に就任したデシャン・オーケストラとは違い、かつては偉大なマエストロ・シュトレーゼマンも指揮したというマルレは、今や完全に落ち目のオケ。優秀な演奏者は去り、残ったのは頑固で独裁的なコンマスと、安月給を凌ぐためのバイトに忙しく、あまり練習しない団員達。千秋の指揮による最初の演奏会も失敗。傲慢な姿勢は音楽を真摯に追求するゆえのコンマスと協力して、オーディションでは何とか腕のある新入団員を獲得したものの、今度は新旧団員の軋轢が・・・。でも、16巻の終幕では少し良い方向に向かいそうな予感。2月発売の17巻が待ち遠しいゾ。

 一方、主人公のだめは、名門音楽院コンセルヴァートルへ。悩み、惑いながらも、音楽家を夢見る若者の住まうアパルトマン(千秋の親戚筋の所有)で千秋や、新たな友人たちと暮らしながら、ピアノを追求していく。

 パリ編は、日本編に比べると主人公2人以外のキャラが強烈ではない分、笑いの要素は減り気味。のだめの話の比重も低いような気がする。でも、音楽マンガとして、あるいは若者の成長物語として十分楽しめる。もう、のだめと千秋の2人が愛おしいモンね(笑)。

 あと、日本編キャストの中で、唯一パリ編でもレギュラー格なのは、オーボエの黒木君だけなんだけど、他の個性的なキャストもどこかでまたタップリと登場させてほしいなぁ・・・。

 それから、『キャラクターブック』は、ファン向けの本というだけでなく、クラシック入門本にもなっているのがマル。

 アニメは1月11日からスタート!と以前書いたが、ここ関西では16日からだった・・・。放送時間も遅すぎるので、ビデオ録画して観ることに。こちらも毎週楽しみだな。

のだめカンタービレ#1〜#3
のだめカンタービレ#4〜#9
posted by ふくちゃん at 14:32| Comment(0) | TrackBack(1) | 漫画

2007年01月18日

シンセミア


シンセミア 1
著者名:阿部和重(著)
出版社:朝日新聞社出版局
出版年:2006.10
ISBN :4022643773


 20世紀最後の夏、神の町で何が起きたのか?『ニッポニアニッポン』や『グランド・フィナーレ』につらなる“神町クロニクル”の壮大な幕が開く。伊藤整文学賞と毎日出版文化賞をダブル受賞した本作は、デビュー10年にして到達した著者最高の傑作長篇である。文庫オリジナルの神町地図と年表を収録。
(「BOOK」データベースより)

 本の雑誌増刊『おすすめ文庫王国2006年度版』の現代小説ベスト10にも入ってるし、書評も良かったし(現代文学のひとつの達成・・・みたいに言われてた)、海外にも翻訳されるようだし。

 昔、読んだ『インディヴィジュアル・プロジェクション』もそこそこ面白かった(ような気がするだけか?)し。

 全4巻。

 いつか面白くなるはず・・・と思いながら読んだが、最後まで乗り切れず。

 正直、どこかいいねん!・・・である。

 こんなに褒められている作品だから、こちらの鑑賞眼に問題があるのかも知れない。

 しかし、理解できないものは理解できない。楽しめないものは楽しめない。この手のエログロ描写小説なら、舞城王太郎の方がよっぽど面白いと思う。


 ここ数年、意図的に読書ペースを落としていた。具体的には黙読なのに、頭の中でしっかり音読するようにして。一時期ドンドン読んでいたら、読みたい新刊に数ヵ月間出会えず、仕方なくかつて読んだ好きな作品を再読して凌ぐ(それはそれで楽しいけど・・・)ことが数回続いたからだ。

 でも、最近はネットやら映画鑑賞やらで読書に使う時間が減り、一方で読みたい本も尽きることなく増えてきた。今も積読状態の本が10冊ぐらいあるし、買いたい本もいろいろある。

 ペースを上げよう!文庫中心とはいえ、お金が心配だが・・・。
 
 次は、舞城王太郎の『九十九十九』(講談社文庫)を通勤中に、飛浩隆の『ラギッド・ガール』(ハヤカワSFシリーズJコレクション)を自宅で。
posted by ふくちゃん at 01:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 純文学

2007年01月12日

このミステリーがすごい!2007年版


このミステリーがすごい! 2007年版 20周年直前リニューアル号
著者名:
出版社:宝島社
出版年:2006.12
ISBN :4796655778



 途中、何年間かはブランクがあるものの、ほぼ毎年購入している『このミス』。

 今年のランキングは次の通り。

国内編
1位 独白するユニバーサル横メルカトル(平山夢明・著/光文社)
2位 制服捜査(佐々木譲・著/新潮社)
3位 シャドウ(通尾秀介・著/東京創元社)
4位 狼花 新宿鮫\(大沢在昌・著/光文社)
5位 銃とチョコレート(乙一・著/講談社)
6位 名もなき毒(宮部みゆき・著/幻冬舎)
7位 贄の夜会(香納諒一・著/文藝春秋)
8位 怪盗グリフォン、絶対絶命(法月綸太郎・著/講談社)
9位 赤い指(東野圭吾・著/講談社)
10位 夏期限定トロピカルパフェ事件(米澤穂信・著/創元推理文庫)
10位 デッドライン(建倉圭介・著/角川書店)

 読んだことあるのは、10位の『夏期限定〜』のみ。文庫本になったら、読んでみたいと思ったのは、2位、4位、6位、9位かな。

海外編
1位 あなたに不利な証拠として(ローリー・リン・ドラモンド著/光文社)
2位 クリスマス・プレゼント(ジェフリー・ディーヴァー著/文春文庫)
2位 荒ぶる血(ジェイムズ・カルロス・ブレイク著/文春文庫)
4位 風の影(カルロス・ルイス・サフォン著/集英社文庫)
5位 数学的にありえない(アダム・ファウアー著/文藝春秋)
6位 12番目のカード(ジェフリー・ディーヴァー著/文藝春秋)
7位 奇術師の密室(リチャード・マシスン著/扶桑社ミステリー)
7位 天使と罪の街(マイクル・コナリー著/講談社文庫)
9位 絞首人の一ダース(デイヴィッド・アリグザンダー著/論創社)
10位 わたしを離さないで(カズオ・イシグロ著/早川書房)

 読んでみたいのは1位、2位(両方)。あと10位は純文学ながらランク・イン。これも読みたい。
posted by ふくちゃん at 00:02| Comment(8) | TrackBack(0) | ガイド本

2007年01月10日

のだめカンタービレ#4〜#9


のだめカンタービレ #4
著者名:二ノ宮知子(著)
出版社:講談社
出版年:2002.12
ISBN :4063404110


 第9巻までが、TVドラマで放映された「日本編」。

 面白い。

 第4巻以降、ドラマでは省略・変更された部分も結構ある。ヒット作・話題作だからこそドラマ化されたわけで、原作が良いのは当たり前だが、ドラマでの省略・変更によるストーリーの圧縮もよく考えられているな、と改めて感心。

 さて、ドラマも原作も知らん人のために、日本編の主要登場人物をご紹介。

●のだめ(本名:野田恵)
 ・主人公。女。桃ヶ丘音大ピアノ科学生。天然ボケキャラ。奇声を発する。
 ・部屋はゴミタメのよう。家事できない。人の弁当を盗み食い。風呂にあまり入らない。
 ・よくガスや水道を止められる。
 ・千秋に惚れている。
 ・聞く人をハッとさせるほどの才能の持ち主。
 ・ただ楽しくピアノが弾ければ満足で、自分の才能には無自覚。
 ・強制的に練習させられることは大嫌い。
 ・譜面を観て弾く、譜面どおり正確に弾くのは苦手。
 ・CDや他人の演奏を聞いて一発で覚えて弾ける。
 ・感覚的な演奏で、勝手に音を足したり作曲しながら弾いてしまうクセあり。
 ・気分次第で、良い演奏にも悪い演奏にもなってしまう。
 ・将来の夢は千秋の嫁+幼稚園か小学校の先生。

●千秋真一
 ・男。桃ヶ丘音大ピアノ科学生。クールで美貌の「オレ様」キャラ。
 ・わりと裕福。几帳面で家事も得意。大学一もてる。
 ・のだめには付き纏われて、振り回されっぱなしで、時にキャラ崩壊。
 ・ピアノだけでなく、ヴァイオリンにも非凡な才能。しかも努力家。
 ・子供の頃、胴体着陸を経験しており、トラウマで飛行機に乗れない。
 ・泳げない。
 ・飛行機がダメで、海もダメなので、才能があるのに留学できない。
 ・将来の目標は一流の指揮者。
 ・のだめの才能は高く評価している。ゆえに彼女の欲の無さに苛立つことも。

●フランツ・フォン・シュトレーゼマン
 ・男。ドイツ人。世界的な指揮者。なぜか桃ヶ丘音大に指導に来ることに。
 ・子供がそのまま大人になったような気ままわがままな人。だが憎めない。
 ・セクハラ大王。合コンや日本のキャバクラが大好き。だが憎めない。
 ・千秋やのだめを高く評価、千秋を弟子にする。
 ・千秋を合コンの「客寄せ」に利用したりするが、自分よりもてるので激しく嫉妬。
 ・またの名を「ミルヒ・ホルスタイン」。

●峰龍太郎
 ・男。桃ヶ丘音大ヴァイオリン科学生。中華料理店「裏軒」の息子。ファザコン?
 ・当初はクラシック嫌いだったが、千秋やのだめとの出会いで変わる。
 ・才能はいまひとつだが、努力家で音楽への情熱は真っ直ぐ。確実に上達中。
 ・友達思いの「男前」の性格。とてもイイヤツ。

●奥山真澄
 ・男。桃ヶ丘音大管弦学科学生。アフロヘアがトレードマークの夢見るオネエキャラ。
 ・千秋に惚れているので、のだめをライバル視。
 ・打楽器の才能は抜群。

●三木清良
 ・女。ウィーン留学中(ヴァイオリン)だが、師匠の来日と共に一時帰国。
 ・千秋と知り合い、学生オーケストラを作る。
 ・学生オケに加わってきた峰と63889に。

●峰パパ
 ・峰龍太郎の父、「裏軒」店主。
 ・中華なのに、クラブハウスサンドイッチ(千秋の定番)や不思議な新メニュー続々。
 ・息子を溺愛。息子の友人達も溺愛。息子と千秋達が作ったオーケストラも溺愛。

 まあ、他にも沢山。わりと登場人物多い。

 学園モノ、青春モノ、音楽モノ、恋愛モノ、コメディといろんな要素がある。帯には「こんなに笑えるクラシック音楽があったのか!?」とあるが、「爆笑」というよりは「クスクス」かな?

 音楽や人との出会いを通じて、のだめや千秋、峰の成長が瑞々しく描かれる。のだめと千秋、峰と清良の恋愛模様も実にさわやか。

 最終的には、のだめは真剣に音楽と向き合う決心をして、飛行機恐怖症を克服した(←のだめのおかげ)千秋と海外留学へ。ということで第10巻からはパリ編(実は、もう12巻まで読んだ)。

 1月11日からはアニメも始まるよ!

「のだめ」アニメ公式サイト
http://www.nodame-anime.com/
posted by ふくちゃん at 00:34| Comment(0) | TrackBack(5) | 漫画

2007年01月08日

女剣士・一子相伝の影


女剣士・一子相伝の影
著者名:多田容子(著)
出版社:講談社
出版年:2006.12
ISBN :4062755920


 著者の多田容子氏に興味があって、一度はこの人の作品を読んでみようと思っていた。

 というのは、時代小説の中でもいわゆる剣豪もの・剣法ものを書く作家は多数いる(と思う)のだが、多田氏は居合道・三段、また10年間「柳生新陰流」を学び「小転中伝(こまろばしちゅうでん)」の腕前(ってどの程度なのか分からんけど)だとか。

 つまり、武芸(古武術)に通じている、というか実際に武芸者なので、剣術の描写に独自のリアリズムがある・・・といった主旨の評論をかなり以前に読んだことがあったのだ。

 で、今回初めて読んでみた。

 感想としては、確かに剣の「術理」に関する描写は興味深い。しかし、読み手のこちらは武術の素人ゆえ、どうも理解が追いつかない。だから、残念ながら感心も興奮もできないのだ。実際に武道・武術を嗜む人が読むと、また違った感想になるのだろうが。

 そして、ストーリーテリングという点からは、エンターテインメントとしての面白さに欠ける。いろいろエピソードはあるのだが、山場もなく終ってしまった感じ。また、登場人物も皆、陰影に欠け、魅力に乏しい。いわゆる「人物が描けていない」小説であった。

 現状では多くの読者は掴むのは難しいだろうな。今後に期待。


 この作品と並行して、『のだめカンタービレ』を4巻から9巻まで、それから年末からチョコチョコ読んでいた『このミステリーがすごい!2007年版』を読了した。これについては、また近日中に。

 あと、今は『シンセミアT』(阿部和重・著/朝日文庫)を読んでいるが、これは全4巻あるので、全部読んでから感想を書こうと思う。 
posted by ふくちゃん at 00:19| Comment(0) | TrackBack(1) | 歴史・時代小説

2007年01月06日

隠し剣孤影抄・隠し剣秋風抄


隠し剣孤影抄
著者名:藤沢周平(著)
出版社:文芸春秋
出版年:2004.06
ISBN :4167192381


 関西テレビ(フジ系列)のTVドラマ『悪魔が来たりて笛を吹く』を観てたら、書き出しが遅くなってしまった。稲垣金田一の演技というかキャラ設定(妙にどもったり、マントを翻したり)はビミョーな気がしたが、全体に(TVドラマとしては)お金と手間がかかっていて、見応えがあった。期待しなかった分、映画『犬神家の一族』より好印象。


 ・・・閑話休題。


 さて、年末年始に読んだ本、最後は藤沢周平氏の『隠し剣孤影抄』と『隠し剣秋風抄』。

 前日(というかもう前々日)の記事では「仕方なく読んだ」と書いたが、藤沢周平作品は基本的に好き。しかし、両親が藤沢&司馬(遼太郎)ファンで実家に結構本があるので、ツイツイいつでも読めると思ってしまうため、かえって意外に読んでいない。

 この『隠し剣』2作品は、いずれも藤沢作品によく登場する東北の海坂(うなさか)藩(架空の藩)を舞台にした連作短編集。

 ただし、連作とはいっても、いつかの時代の海坂藩のどこかの町を舞台にしている点だけが共通項で、個々の作品は完全に独立しており、様々な「秘剣」の「奥義」を極めた下級の侍etc.が主人公の「剣客モノ」作品集である。

 ご存知の方も多いとは思うが、『孤影抄』の中の一篇『隠し剣鬼ノ爪』は別の作品と合体して映画『隠し剣鬼ノ爪』に、『秋風抄』の中の一篇『盲目剣谺返し』は映画『武士の一分』に。

 映画は観ていないが、小説は収められている全作品とも、非常に良い。決して明るいとは言えない作品集だが、読んでみて損はないと思う。

 短い作品なのに、主人公のキャラが個性豊かにしっかり立っている。著者によって様々な趣向を凝らして創造された剣法の妙。息詰まる闘い。そして訪れるどこか物悲しい読後感。

 何でこんなに上手いのかなぁ・・・。もっと生きて、作品を書いてほしかったなぁ・・・。池波正太郎氏ともども、今も多くのファンを惹きつけるのは当然すぎるほどに当然である。

 そりゃ『週刊 藤沢周平の世界』も出るよ。


 ということで、ようやくリアルタイムの読書にブログが追いついてきた。次回は昨日読み終わったばかりの『女剣士・一子相伝の影』(多田容子著・講談社文庫)で。
posted by ふくちゃん at 00:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 歴史・時代小説

2007年01月04日

のだめカンタービレ#1〜#3


のだめカンタービレ #1
著者名:二ノ宮知子(著)
出版社:講談社
出版年:2002.01
ISBN :4063259684


 昨日の記事で。

そうそう、書き忘れていたのだが、先日読んだ『となり町戦争』も『アヒルと鴨とコインロッカー』も映画化されるそうだ。

と書いたのだが、『となり町戦争』の映画化には、『となり町戦争』の記事の中で言及していた・・・。短期記憶が・・・。


 さて、年末年始に読んだ本その2は『のだめカンタービレ』第1巻〜第3巻。

 一応、少女マンガだから、買うのに少し勇気が必要だった(汗)。

 で、最初の3巻を読んで感じたのは、小さな省略や変更はあるものの、TVドラマは概ね原作に忠実に作られていたんだな、ということ。漫画的という点では、ある意味ドラマの方がぶっ飛んでいたような気もするけど。

 うん。確かになかなか面白い。音楽、楽器、クラシックを知らなくても楽しめる。

 現在出ている単行本は、引き続き全部読むつもり。

 しかし、久し振りに読んだけど、やっぱり漫画ってすぐ読める。年末年始は『水滸伝・三』と『のだめ』3巻で凌ぐつもりだったが、12月31日には読み終わってしまった。そんなワケで実家の近所の書店に『のだめ』の続きを買いに行ったが、品切れ・・・。

 仕方なく実家に置いてある藤沢周平氏の『隠し剣 孤影抄』『隠し剣 秋風抄』(いずれも文春文庫)を読んだ。これについては明日にでも。
posted by ふくちゃん at 23:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画

2007年01月03日

水滸伝・三 輪舞の章


水滸伝 3
著者名:北方謙三(著)
出版社:集英社
出版年:2006.12
ISBN :4087461033


 謹賀新年!

 そうそう、書き忘れていたのだが、先日読んだ『となり町戦争』も『アヒルと鴨とコインロッカー』も映画化されるそうだ。『となり町戦争』は作りようによっては、原作より面白くなると思う。『アヒルと〜』は、あの騙し方は小説だからできるのであって、映画では同じ方法は不可能だと思うが、その一番キモとなる部分をどう処理するのだろうか?

 他に観たい映画が無かったら、観にいってみよう。

 では、年末年始に読んだ本その1ということで、『水滸伝・三』。

 第2巻で宰相への莫大な賄賂を運搬する際の護衛を命じられ、宋という国のあり方に疑問を持っていた地方軍の優秀な将校・楊志(ようし)が、梁山泊メンバーの策により、二竜山の叛徒の頭目となり、知らず知らずのうちに梁山泊の勢力に合流していく様や、同じく梁山泊に連なる叛徒の拠点のひとつ少華山の頭目・史進(ししん)が、並外れた武勇を誇りながら、その若さゆえに抱く心の弱さなどが描かれる。

 しかし、なんと言っても読みどころは、梁山泊の中に組織されたゲリラ軍「致死軍」と、腐敗した宋という国を裏側で支える影の組織「青蓮寺」の暗闘である。

 この青蓮寺にもゲリラ戦を得意とする「闇軍」があって、その能力の一端はこの巻で明らかにされるのだが、いずれ「致死軍」との激突もあるのだろうか?

 ドキドキ。

 それはともかく、これまでは単なる悪の巣窟かと思っていた青蓮寺が、実は彼らなりに国の現状を憂い、国を変えようとしていることも描かれる。彼らの志向するところは、梁山泊のように今ある国を破壊するのではなく、あくまで体制内改革でしかないのだが、それは今国を潰したら近隣の国に蹂躙されてしまうという危機感があるからだ。しかも、自分達がオモテの権力者になろうという気は無く、ただただ裏から支えつつ、少しずつ国を変えようというのが彼らなりの「志」である。

 単なる勧善懲悪の構図でないのがいい。

 晁蓋(ちょうがい)と並ぶ、梁山泊のもうひとりのリーダーでありながら、国の役人という仮面を被り続けていた宋江(そうこう)も、いよいよその仮面を脱ぎ捨てて出奔、これから全国行脚に出る。

 梁山泊と青蓮寺。2つの志の本格的な衝突はこれから。益々楽しみである。

水滸伝・一 曙光の章
水滸伝・二 替天の章

 年末年始に読んだ本その2は、『のだめカンンタービレ♯1〜♯3』(二ノ宮知子・著/講談社コミックス)。これはまた明日にでも。
posted by ふくちゃん at 23:16| Comment(4) | TrackBack(1) | 歴史・時代小説