新・御宿かわせみ 著者名:平岩弓枝(著)
出版社:文藝春秋
出版年:2010.08
ISBN :9784167710156
ついに明治編。これまでの主人公・神林東吾は、幕末〜明治維新期に榎本武揚と艦船に乗り込んだまま、行方不明。相棒の同心・畝源三郎は探索中に賊に拳銃で撃たれて落命。その賊とは麻生宗太郎・花世親子の留守中に麻生家を襲い、宗太郎の父・源右衛門、妻・七重、息子・小太郎の命を奪った謎の連中であり、源三郎が探索していた相手である。
・内容(「BOOK」データベースより)
時は移り明治の初年。時代の混乱は、「かわせみ」にも降り懸かっていた。東吾は、戦乱で行方不明、源三郎は凶賊の手にかかり落命、麻生家も源右衛門ら3名が殺害された。だが、麻太郎、花世、源太郎ら次代を背負う若者たちは悲しみを胸に抱えながらも、激動の時代を確かな足取りで歩き出す。大河小説第2部、堂々のスタート。
幕末〜維新の争乱や、いずれ年寄りになる東吾や源三郎の姿は書きたくない。でも、江戸の香りが残る時代は描きたい。そんな理由で選ばれた舞台設定だが、魅力的な登場人物が一気に消えるというのは、やはり寂しい。amzonの書評でも、賛否は割れる。
しかし、まだ「かわせみ」の女主人にして東吾の妻・るい、番頭の嘉助、女中頭のお吉、岡っ引きだった長助と仙五郎、東吾・源三郎の無二の親友にして医者の麻生宗太郎たちがいる。
新シリーズの主人公である神林麻太郎(医師/東吾の兄で奉行所与力だった通之進の養子、東吾の実子)、畝源太郎(探偵/源三郎の息子)、麻生花世(『銀座開化おもかげ草紙』にも登場するA六番館女学校に在学、「かわせみ」に下宿)には残念ながら、前シリーズの東吾・源三郎・宗太郎ほどの魅力はない。特に花世は、ずうずうしく生意気なだけのキャラのようで、ちょっとガッカリである。でも、彼らなりの魅力が生まれるまで、もう少し待ちたいと思う。
次は、『阪急電車』(有川浩・著/幻冬舎文庫)。

